バックオフィスの最適化で中部地方のビジネスを切り拓く — freee中部支社の坂田氏にインタビュー

投稿者: | 2017-07-21

企業で経理を担当している方や、個人事業主の方は、普段どのように経理業務を行っているでしょうか。中には、煩わしい作業や効率性に課題を抱えている方もいるかもしれません。
経理における課題を解決すべく、クラウド会計ソフトを提供しているの企業の一つがfreee株式会社です。Fintech業界でもその存在感を示すfreeeが今年5月、名古屋に中部支社を設立しました。freeeが中部地域で発揮する役割とは、一体何でしょうか。中部支社で働く坂田佑馬氏にお話を伺いました。

— 最初に、坂田さんのプロフィールを教えてください。

freee株式会社 中部支社長代理の坂田です。名古屋出身で、千種区で育ちました。大学入学を機に上京し、そのまま東京で就職しました。freeeには2016年11月に入社しました。freeeの東京五反田本社で働いていましたが、今年の5月に中部支社が設立されたのをきっかけに、名古屋に戻って来ました。大学に入って以来ずっと東京が私の拠点でしたから、14年ぶりに名古屋に戻って来たことになりますね。

— 5月に設立されたばかりの中部支社では、現在どのように働いているのでしょうか?

設立されてからの2ヶ月間はずっと私のみで動いていましたが、7月から2名のメンバーが増員し、現在は3名体制で分業ができるようになってきました。メンバーの役割としては、会計事務所に対するアライアンス営業が私を含めた2名と、アライアンスを結んでいただいた会計事務所に対し、freeeを導入していただくコンサルティングサービスを提供するためのコンサルタントが1名います。

中部支社として名古屋に常駐している意味は、freeeユーザーを増やすチャネルとして、地域の会計事務所を特に重要視しているからです。会計事務所は地域に根付いたビジネスを行っており、エリア内に顧問先としてお客様を数百社保持しています。会計事務所を通して中小企業様にfreeeを導入していただき、企業のバックオフィスが効率化され、本業にフォーカスしていただける体制づくりを名古屋でもできるようにするために、我々中部支社があります。クラウド会計の取り組みは、どうしても東京の方が先行している部分があります。これまで地方でアプローチできていなかったところを、中部支社としても挽回している状況ですね

— 今年4月にfreeeは名古屋銀行と業務提携を結び、東海地方のスモールビジネス支援をさらに強化していくそうですね。東海地方のスモールビジネスの現状や着眼点を教えていただけますか?

そうですね。私たちが取り組みたい領域は、創業したばかりの方もずっと会社を経営されている方も、いかに煩わしい作業から解放され、やりたいことにフォーカスできる体制を作れるかという部分です。この課題の阻害要因の一つがバックオフィス業務だと考えていて、中でも私たちが解決したいのが、経理周りの煩雑さをなくすことです。この課題を、クラウド会計ソフトのfreeeを使うことによってできる限り効率よく、しかも安価に解決することができます。

銀行は融資先など数多くの顧客を持っています。銀行側としても、企業がバックオフィスの煩雑さをなくし、本業に力を入れる体制づくりをすることは大事だという思いを、私たちと同じように持っています。名古屋銀行とfreeeが提携し、そんな煩雑さのない体制を作り上げていく一環として、銀行が持っているお客様にfreeeのサービス導入を推進していただいています。

また地域ビジネスや地方創生の観点では、名古屋銀行としても創業まもない方々にアプローチしたいと考えており、半年に1回ほどカフェテリア形式のセミナー「創業Café」の開催に取り組んでいます。名古屋銀行とfreeeが提携することにより、「創業Café」の中でfreeeを紹介していただいたり、実際に名古屋銀行がリーチするお客様にfreeeを導入していただいたりと、共に企業のバックオフィスの効率化を推進させていくことができます。

— 現在クラウド会計ソフトを提供している企業は多いですし、使いたい・気になっている方もいると思います。たくさんあるクラウド会計ソフトの中でも、freeeを選ぶことのポイントは何でしょうか?

動画引用元:freee株式会社 公式HP

freeeの会計ソフトには、2つのポイントがあると考えています。

1つ目のポイントは、簡単で自動的に帳簿を作成できること。従来は帳簿をつけるにあたって、「いつ」「誰に対して」「いくら」お金のやりとりがあったかという必要情報をベースに、それらの情報を簿記の言葉に変換しています。しかし、お金のやりとりの情報は、実はインターネット上にたくさん眠っているのです。例えば、インターネットバンキングの明細、クレジットカードの明細、Amazonで買い物をしたデータなんかもそうですよね。飲食店事業者だったら、現在普及しているタブレット型のPOSレジデータも情報の一つ。これらのデータとfreeeの会計ソフトと連動させて、帳簿付けの証票として使うことができます。ネット上のデータなのでわざわざ入力する手間がありません。人工知能が自ら勘定科目を学習し、仕訳処理を自動的に行って帳簿をつけたり、溜めておいた領収書をスマホで写真を撮って数字を読み取らせ、電子データとして管理してスキマ時間で帳簿付けをすることも可能です。帳簿付けに多くの時間を費やしたり、簿記を学ぶ必要もなくなります。

freeeの大きな特徴としてあげられる2つ目のポイントは、バックオフィス業務の最適化です。実際の経理業務として行う部分は、売り買いや入出金の管理、仕訳入力、試算表・決算書の作成ですが、一般的な会計ソフトが担っているのは仕訳入力と試算表・決算書の作成で、この部分をいかに効率化するかが重視されています。

でも、実際に経理業務をする方が困っている問題は、その部分を効率化したら解決できる問題ではないのです。例えば、仕訳よりも前段階の入出金の管理は、エクセルで台帳を作ったり、絶えず入力や更新をしたり、なおかつその内容を会計ソフトに転記して入力しなければなりません。この作業はとても非効率で、同じ内容のデータを何度も記録するのは手間だったり、エクセルで管理すること自体もブラックボックス化してしまったり、経理担当者が引退するときには引き継ぎが大変だったり… そんな煩雑な課題に費やす時間を減らせることが、freeeの会計ソフトの強みです。freeeの会計ソフトがオールインパッケージで経理業務をこなすことで、従来エクセルから帳簿へデータを移していた作業が自動的にできるようになり、経理にかける時間を短縮できる点が、他社との差別化であり大きな特徴です。

— 経理・会計をオールインで行う機能を、freeeの会計ソフトが実現したのですね。

会計ソフト業界の歴史を振り返ると、仕訳処理をどれだけ効率化できるかといった、どちらかといえば税理士に目を向けたサービスが主流でした。しかし、freeeは圧倒的にエンドユーザー視点です。日本の場合、経理処理はエクセルのようなアナログ的なツールを使い、後工程になる帳簿付けの部分で会計ソフトを使う形が多いと思います。一方で、freeeのサービスは統合業務システムであり、経理と会計の両方ができるようになっていて、これによって非常に効率化された世界が実現できると考えています。実は、海外のクラウド会計ソフトだとこのような統合業務システムが主流になっていて、クラウドERP(Enterprise Resource Planning)とも呼ばれています。

お金をたくさん出せば大企業向けのクラウド会計パッケージはあると思いますが、中小企業向けのパッケージは今まであまり普及していませんでした。その点では、中小企業の経理業務の効率化を私たちが先駆けて行っている自負があります。

— 中部支社では現在、採用を活発に行っていますね。どのような方と一緒に働きたいでしょうか?

freeeの社員が大切にしている、5つの価値基準 (画像引用元:freee株式会社 採用ページ )

現在は営業担当とエンジニアを募集しています。名古屋に根付いてこの地域を盛り上げていきたい方や、名古屋の中小企業の活性化に強い思いを持った方と働きたいです。

中部支社は5月に立ち上がったばかりで私たちも試行錯誤の状態ですが、言い換えてみれば、どのように動けば中部のマーケットを変えられるかを考えられる、チャレンジングな環境が目の前にあります。そんな環境の中で楽しんで仕事に取り組める方がいいですね。

エンジニアに関しては、テクノロジーを活用して価値のあるプロダクトを作り、顧客に最速で届けたいと思う方や、世の中の既存の仕組みに疑問を持つことが多い方と働きたいです。私たちには会計ソフトを変えてきた自負があるので、既存のものを変えていくマインドを同じように持っているかは重要かもしれません。もちろん、開発面では東京や他地域のメンバーともコミュニケーションを取りながら進めて行きますが、名古屋にいながら東京の開発陣と共に進められることが肝になると思います。新しいことに挑戦したい方を、中部で採用できたらいいですね。

— freeeの社員のみなさまの雰囲気はいかがですか?

freeeの雰囲気はとてもポップですよ(笑)でも、何でも言い合える環境があるのは良いところです。freeeには大事にしている5つの価値基準があり、これに沿って行動できるかは問われるようになっています。共通の価値を大切にできるマインドを持っているからこそ、メンバーは同じ方向へと動けるのだと思いますし、私もこの価値基準はとても気に入っています。

もしfreeeという環境に興味を持っていただけたのであれば、よりスタートアップ感の強い中部で試行錯誤しながら一緒にやっていくのは魅力的だと思います。従業員数がすでに300名を超える東京本社に比べ、中部支社はまだまだこれから成長させていく部分が多いチャレンジングな環境なので、今後が楽しみですよ。

— 最後に、freee中部支社としてのアピールポイントを教えてください。

地域のパートナーを通して、できる限り中部のマーケットが変わっていく世界を作りたいですし、今は同じ気持ちを持った仲間が集まってきたと感じています。社内の仲間と社外のパートナーを繋げていきながら、最速で変化を起こせるアクションをしていきたいです。

個人的な話にはなりますが、私はまさか名古屋で働く日が来るとは思っていませんでした(笑)freeeに入社したときは、そのまま東京で働くと思っていましたから。でも、今は名古屋に来て良かったと思っています。私たちのサービスを使っていただいたおかげで、みなさまの仕事が効率化されたり、地域貢献が実現できたりするのなら、自分が育った名古屋に対する恩返しができているのかな、と思います。意義を感じながら働くことができるのは、自分の成長にとっても良いことだと考えています。

地方だからこそマルチロールで仕事を任せてもらえることも多く、オフィスのファシリティーから銀行との打ち合わせ、税理士以外のチャネルでのfreee拡販のために、他団体の方ともお話ができたり。東京ではできなかったことにもチャレンジできるのは、中部支社の良い点だと思います。そんな気持ちを分かち合える方と一緒に働けたら嬉しいですね。

編集部コメント

中部という地域で新しく支社を展開することは、とてもスタートアップ的な取り組みになるのだろう、と坂田さんのお話から感じました。もし名古屋に思い入れがあり、チャレンジングな機会に飛び込んで何かを作り上げたい気持ちを持っている方は、freee中部支社はぴったりな環境なのではないでしょうか。今後も、freeeの取り組みによる中部地域のスモールビジネス活性化に期待しています。

カテゴリー: インタビュー
Rumi Iwabuchi

Rumi Iwabuchi について

1994生まれ、名古屋市出身。Nagoya Startup Newsライター。在学中に学生団体AIESECに所属し、外国人学生のインターン斡旋業務や支援事業に携わる。2016年よりスペインのバルセロナへ語学留学を経験。南山大学外国語学部在学中。