中京テレビ主催のハッカソン『HACK-CHU!』本選レポート!全8チームのプレゼン内容を紹介 #hackchu

投稿者: | 2018-03-12

中京テレビ放送株式会社(本社:名古屋市中村区)の主催するハッカソンイベント『HACK-CHU! (ハックチュー)』の本選が、2018年2月24日(土)から25日(日)の2日間にかけて開催されました。

今回のテーマは「テクノロジーで暮らしを楽しくオモシロク!」。2月17日(土)開催の予選を通過した上位8チームが、テーマに沿って制作したプロダクトのプレゼンテーションを行いました。本記事では、全8チームのプレゼン内容をレポートします。

※この記事は、中京テレビ主催のハッカソン「HACH-CHU!」のPRを目的とした記事です。なお、広告記事の詳細に関してはこちらをご覧下さい。

本選の審査員は、名古屋工業大学 江龍氏、tsug,LLC 久下氏、株式会社はてな 栗栖氏、中京テレビ 経営計画局長 長谷川氏、中京テレビアナウンサー 松岡氏が務めました。

テクノロジーサポート企業は11社。各チームは、これらの製品やサービスを活用し、プロダクトを制作しました。

トイレの神様「そんなところでOPP」

「トイレでもっとリラックスできたら、もっとワクワクできたら」という思いから開発。生活に密接に関わるトイレを“アミューズメント空間”にするプロダクト。トイレ内の壁面に、砂漠や海の中、宇宙など、開放感のあふれる場所をプロジェクターでマッピング。さらに、ウォッシャー・風・座椅子温め機能を用いた4D体験が可能。入室時の表情認証で、シーンのレコメンドも実施できる。

システムは、IBMクラウドとRaspberry Piを利用。ユーザー情報をRaspberry Piで認識し、それをIBMクラウドに送信・解析したものを、プロジェクターに出力する。IBMクラウドどRaspberry PiのハブにはIBMのIoTプラットフォーム、画像解析についてはWatson Visual Recognitionを使用した。

トイレ着席・離席については、Raspberry Piを使って判定。着席したタイミングを認識して、プロジェクターに動画を投影する。動画を変更したいときはAmazonechoを利用し、特定の音声コマンドを入力することでIBM側で解析。それに適合する動画を、プロジェクターにアウトプットする。

なかよしフォーエバー「ニコオコふうふ地雷探査機」

夫婦間の喧嘩の理由として多く挙げられるのが、言葉づかいや物言いに関すること。『ニコオコ地雷探査機』は、この問題を解消し、夫婦円満をサポートするために開発されたおしゃべりAIロボット。妻を怒らせる言葉=おこワードをロボットに記憶させてリストアップ。それを検知し、知らせてくれる。

システムには、IBMクラウドを活用。ロボットにはUSBマイクのついたRaspberry Piがロボットに搭載されており、夫婦の会話を聞き続けて、IBMクラウドに送信。テキストによる文字起こしを行い、会話の内容をウォッチする。頭の部分がボタン(おこボタン)になっており、妻が怒ったときに押すと、IBMクラウドに知らせてくれる。

その後IBMクラウド上では、ボタンを押した3分前までの情報をマークして、怒りの発端となりうるワードをデータベースに蓄積。妻は、その中から怒りのもととなった言葉(おこワード)を、Webアプリ上で選択。その後おこワードが夫から発せられると、twilioから「注意してね」と夫に電話がかかってくる。

ハミガキさせ隊「チュウキョ~くんとハミガキゲーム」

「子どもに歯磨きをさせるのは大変。楽しく歯磨きができるツールがあったらいいな」という思いから開発されたIoT歯ブラシ。自宅にある歯ブラシに付けるだけで使える。タブレット端末を鏡代わりにし、専用アプリがスタート。歯磨きをすると、画面の中のチュウキョ~くん(中京テレビキャラクター)の歯がきれいになっていくゲームが始まり、楽しく歯磨きができる。

Microsoft Surface ProのWebカメラに、UWPアプリが連動。カメラの情報を、マイクロソフトのMicrosoft Cognitive ServicesのFaceAPIに送ることで人物を認識。設定に応じて、最適なゲームが起動する。ゲームはWebアプリ・Javaスクリプトで作られている。

IoT歯ブラシの中には、9軸加速度センサーとWi-Fi搭載のマイコンが入っている。これにより、角度や重力などを計算し、歯の磨いたエリアを判定して、データをMilkcocoaに投げ返す。これをSurface ProのWebアプリで受信し、スコアを出す。そのデータはMicrosoft Azure Cosmos DBに送信され、Power BIを使ってグラフ化される。これが埋め込まれたWebページを開くだけで、歯を磨けたかどうかが確認できる。

MUS★ARD「ギリギリアラーム」

 

予定時間に目的地に到着する、“ギリギリ”の時間まで寝たい!という思いから開発された、枕型デバイス『ピロートーク』とスマホアプリ。アプリに目的地と到着したい時刻を告げると、そこから逆算し、間に合う時間にアラームを鳴らしてくれる。起きない人には、オプションデバイスで電流が流れる。

枕型デバイス『ピロートーク』の中には、マイコンが搭載されている。マイコンとウェアラブルデバイスを使い、電流が流れる仕組み。枕の中にはスピーカーが入っており、枕から音声が直接出る。さらに感圧センサーで、頭が乗ったと認識される。枕が頭に乗った瞬間に、スマホアプリが連動する。

目的地と時間の音声入力をAndroidが受け取り、構文解析。経路情報と地図表示はYOLP、現在地と目的地の天気予報はIBMクラウドを使用駅すぱあとの経路検索で所要時間を算出して、アラームをセット。現在地・目的地の天気が悪い場合は少し早めに起こすように設定されている。起床時間にはAIトークロボット『あかねちゃん』がスマホアプリで呼びかけ、起こしてくれる。

ささしま非リア充の会「リア充こたつ」

彼女が自分の部屋にいる、そんな夢のようなシチュエーションを実現するために開発。『リア充的対話誘導型VR彼女みかんちゃん』とVRで会話(選択肢からセリフを選ぶ)。“足ハサミ機”が連動していて、不適切な会話を選択した場合は、足が挟まれる。

システムの構成は、Unityを使ったVRレンダリング。『Live 2D』エディタを使ったことが特徴。このエディタにより、2DのCGのモデリングとアニメーションを作成。Unity側でLive 2DのSDKを利用し、3DのVR空間の中に、2DのCGを登場させてアニメーションを再生する。音声認識エンジンにJulius、音声合成にはAITalkを利用。足用フォースフィードバックデバイス(制御)にはseeedを利用している。

フラワーラボ「プラントーク」

花を育てたいけど、忙しい・面倒だと感じる人のために。枯らさず育てられるように開発。スマホとセンサーが連動して、花の状態(土中水分量や照度)を感知。水分や日照が足りないときは、電話でお知らせしてくれる。植物を育てるのが苦手な人でも、楽しくおもしろく花と対話できる。

アプリからユーザーの情報を入力。Seeed社製のセンサーを使い、水分や温湿度のデータを取得。このデータを、DataSpiderを経由してkintoneに蓄積する。蓄積されたデータは、DataSpiderで定期的に抽出。温度や水分量などに変化があったことを検知したときに、twillioでユーザーに電話をかける。音声に関しては、AITalkを使った音声合成で、花の状態に応じたキャラクターの音声を表現する。

ESCAPE-Z「飲み会エスケープ」

自分の時間や家族との時間を大切にしたいとの思いから開発。抜け出しにくい集まりから抜け出す(=エスケープ)のを助けてくれるサービス。飲み会などの前に、アプリで「いつどうやって抜け出すか」を設定。IoTデバイスやSNSを使った自然な仕草がトリガーとなり、集まりを抜けられるような言い訳をできる電話がかかってくる。アクションの種類やトリガーの種類を組み合わせることで、エスケープスキルは348種類。

システムは、IoTデバイス(チャックの開閉など)やSNSのアクション(ツイートなど)をトリガーとして、twillioやメールのアクションを行うもの。アプリなど裏側の仕組みにはNode-REDを、アクションにはAITalkとTwillioを利用。将来的には、ユーザーが評価し、それを機械学習による改善を行うことで、使えば使うほど進化していくものにしたい。

トラベラーズ「matatavi」

知らない場所へ行くワクワク感のある旅を実現したい、という思いから開発。旅の日数とテーマ(グルメ、癒やし、写真など)を入力するだけで、旅のプランを作成してくれるwebサービス。ルートや運賃、乗り換え案内、施設の説明も表示される。

システムでは、公共クラウドシステムのオープンデータから、観光地25,000件のデータを抽出したものを利用。経路検索には駅すぱあと、地図表示にはYOLPを使用。1泊100kmの計算で、そのドーナツエリアから観光スポットを抽出。検索したデータはkintoneに蓄積し、将来的にはユーザー評価で、今後出てくる経路検索に役立てたい。

受賞チーム

懇親会を兼ねたタッチアンドトライの後、受賞チームが発表されました。最優秀賞はトラベラーズの「matatavi」、優秀賞はハミガキさせ隊の「チュウキョ~くんとハミガキゲーム」。それぞれのチームに、最優秀賞20万円、優秀賞5万円が贈呈されました。その他各企業賞を受賞したチームは以下のとおりです。

  • アマゾンジャパン賞…トイレの神様
  • ヴァル研究所賞…MUS★ARD
  • エーアイ賞…MUS★ARD
  • twillio賞…なかよしフォーエバー
  • kintone賞…MUS★ARD
  • Seeed賞…フラワーラボ
  • IBMクラウド賞…MUS★ARD
  • 日本マイクロソフト賞…ハミガキさせ隊
  • ヤフー賞…トラベラーズ
  • トッパン賞…ささしま非リア充の会、トラベラーズ

さまざまな年齢・職業の人が集まり、お互いにアイデアや技術を持ち寄った今回のハッカソン。新たな目線や“ひらめき”を得たい方は、このようなハッカソンに参加してみるのも良いでしょう。