名古屋発のIT系企業の上場銘柄まとめ

投稿者: | 2017-08-11

名古屋と言えば「ものづくり」の会社が多いイメージですが、実は名古屋発のIT企業の上場銘柄も複数存在します。「名古屋のIT企業」の事業内容を見ていくと、大きく以下のような3種類に分けられます。

  1. 地場産業である自動車や製造業に関連したサービスを提供するIT企業
  2. インターネットを使ったサービスを提供するIT企業
  3. 先端技術を研究・開発するIT企業

特に、「自動車や製造業に関連したサービスを提供するIT企業」は名古屋特有の企業だと言えますね。
今回は、これら3種類のIT企業を、会社情報・事業内容・財務・株主からの視点・将来の展望といった観点で、その魅力を探っていきます。

1.地場産業でもある自動車や製造業に関連したサービスを提供するIT企業

①システムリサーチ(3771)

株式会社システムリサーチHPより引用

会社情報

上場年:2005.6
市場:東証1部
本社:名古屋市中村区岩塚本通2-12

事業内容

製造業向け情報システムの構築・保守・運用をおこなっている「システムリサーチ」。トヨタグループ向けの取引が売上の4割を占めています。具体的には、在庫管理システム『EZ-Stock』、ネットショップ上での試着システム『ちょいコデ』などがあります。

財務


2008年のリーマンショックによる影響が消えた2011年以降、売上高は毎年10%程度、営業利益・純利益も毎年10%以上成長しています。

キャッシュフローは、「営業CF:プラス、投資CF:マイナス、財務CF:マイナス」の王道企業です。
自己資本比率は54.1%と高く、財務健全性が高いです。

株主からの視点

PER12.65倍と、日経平均のPER15倍を下回っていますが、理論株価1,884円に対して現在の株価は2,300円と割高です。
ROEは16.57%と高いです。

将来の展望

将来の展望として、以下の事項に取り組むとしています。

  • 赤字プロジェクトの採算性改善
  • 人材育成の強化
  • AI/IoT/ビッグデータを活用したビジネスの展開

②テスク(4349)

株式会社テスクHPより引用

会社情報

上場年:2002.3
市場:名証2部
本社:名古屋市熱田区三番町21-8

事業内容

小売業・卸売業の経営課題・業務課題の解決をサポートする、基幹MDシステムの開発や電算ハードを販売する「テスク」。顧客の現状をヒアリングし、適したシステム導入を提案しています。ドラッグストアやスーパーマーケット、業務用食品卸会社などに導入された実績があります。

財務


売上高、営業利益、純利益いずれも年によって変動があります。

キャッシュフローは、「営業CFプラス、投資CFプラス、財務CFマイナス」と、ダウンサイジング型と呼ばれる形になっています。投資CFがプラスとなっているのは、有価証券の売却益が計上されているためです。前年のキャッシュフローを見ると王道企業型となっています。
自己資本比率は65.9%と高水準で、財務健全性が高いです。

株主からの視点

PER17.48倍と少し割高な水準ですが、理論株価と株価を比較すると、理論株価532円に対して株価250円と割安です。
ROEは5.3%です。

将来の展望

将来の展望として、以下の事項に取り組むとしています。

  • 量販型流通業に特化した総合ITベンダーを目指す
  • プロジェクト管理を強化し、品質の向上と原価の低減を図る
  • お客様の期待に応えられる人材の確保と積極的な学習・教育を継続する

③アイサンテクノロジー(4667)

アイサンテクノロジー株式会社HPより引用

会社情報

上場年:1997.4
市場:ジャスダック
本社:名古屋市中区錦3-7-14

事業内容

測量、土木ソフト開発・販売がメインの「アイサンテクノロジー」。自動運転に欠かせない「3次元位置情報移動計測装置(MMS)」の研究・開発にも力を注いでおり、3次元地図データ作成の受託が好調です。

財務


売上高は、リーマンショックの影響から2010年に底を打ちましたが、それ以降は毎年10%以上成長しています。営業利益や純利益もリーマンショックと東日本大震災の影響から2011年に底を打ち、それ以降増加基調にあります。

キャッシュフローは、「営業CFプラス、投資CFマイナス、財務CFプラス」の成長企業型です。財務CFが大きくプラスとなっているのは、新株予約権行使による収入が計上されているためです。参考に前年を見ると、「営業CFプラス、投資CFマイナス、財務CFマイナス」の王道企業型となっています。
自己資本比率は74.8%とかなり高いです。

株主からの視点

PER86.5倍とかなり割高で、理論株価と株価を比較しても、理論株価1,042円に対して株価3,670円と、約3倍の値が付いています。
ROEは9.16%です。

将来の展望

将来の展望として、以下の事項に取り組むとしています。

  • 高精度位置情報解析技術を高度化
  • 準天頂衛生の利活用
  • 自動運転支援の実用化に向けた先行研究

④SYSホールディングス(3988)

株式会社SYSホールディングスHPより引用

会社情報

上場年:2017.6
市場:ジャスダック
本社:名古屋市東区代官町35-16 第一富士ビル

事業内容

製造業向け、保険業などの社会情報インフラ向け、モバイル向けのITシステム開発をおこなっている「SYSホールディングス」。2017年6月にジャスダック市場にIPOしたばかりです。

財務


2015年から連結決算となりました。その後2年分ではありますが、決算動向を見てみましょう。売上高はほぼ横ばいですが、経常利益と純利益は大きく成長しています。

キャッシュフローは、「営業CFプラス、投資CFマイナス、財務CFマイナス」の王道企業型ですが、売上債権の増加によって、営業CFが前年比大幅に減少しています。
自己資本比率は44.8%です。

株主からの視点

PER32.3倍と割高です。理論株価と株価を比べてみても、理論株価1,067円に対して株価3,990円と3倍以上の値が付いています。
ROEは18.63%と高いです。

将来の展望

発表されていません。

⑤シイエム・シイ(2185)

株式会社シイエム・シイHPより引用

会社情報

上場年:2008.12
市場:ジャスダック
本社:名古屋市中区平和1-1-19

事業内容

技術マニュアル作成をおこなっている「株式会社シイエム・シイ」。付随サービスとして製造過程やマーケティングにおけるコンサルティングもしています。トヨタ自動車、日産自動車など自動車メーカー向けの売り上げが全体の7割を占めているのが特徴的です。

財務


売上高・営業利益・純利益とも、全体的にじわりと成長しています。

キャッシュフローは、「営業CFプラス、投資CFマイナス、財務CFマイナス」の王道企業型です。
自己資本比率も74.1%と高いです。

株主からの視点

PER10.1倍と割安です。理論株価と株価を比較しても、理論株価7,454円に対して株価4,205円と割安な水準となっています。
ROEは6.95%です。

将来の展望

今ある事業を拡大する方針です。

2.インターネットを使ったサービスを提供するIT企業

①エイチーム(3662)

株式会社エイチームHPより引用

会社情報

上場年:2012.4
市場:東証1部
本社:名古屋市中村区名駅3-28-12 大名古屋ビルヂング

事業内容

携帯電話向け公式サイトの運営で成長した「エイチーム」。現在は、リアルタイムRPG『ユニゾンリーグ』や3Dバトルが楽しめるRPG『ヴァルキリーコネクト』などのスマホゲーム事業、引っ越し比較サイト『引っ越し侍』や結婚式場情報サイト『ハナユメ』などの比較情報サイト事業が主力事業となっています。

財務


売上高は毎年10%以上成長しており(2015年〜2016年にかけては45%成長)、営業利益や純利益は多少の凸凹はありますが、概ね順調に伸びています。

キャッシュフローも「営業CF:プラス、投資CF:マイナス、財務CF:マイナス」の王道企業です。営業CFの範囲内で投資も返済もできており、安定感があります。
自己資本比率も53%と高く、財務健全性が高いです。

株主からの視点

PER22.7倍であること、理論株価861円に対する現在の株価は3,005円であることを踏まえても、割高な水準となっています。
ROEは29.13%とかなり高いです。

将来の展望

将来の展望として、以下の事項に取り組むとしています。

  • ゲーム:新規企画を遂行。月商10億円規模のアプリを複数創出していく
  • 比較情報サイト:既存サイトの売上拡大
  • EC:自転車通販No.1サイトを目指す。他にもEC化が進んでいない領域にも進出予定

②プロトコーポレーション(4298)

株式会社プロトコーポレーションHPより引用

会社情報

上場年:2001.9
市場:ジャスダック
本社:名古屋市中区葵1-23-14

事業内容

中古車情報誌『Goo』を発行する会社で、Webサイトも展開している「株式会社プロトコーポレーション」。情報誌やサイトでの広告収入、タイヤなどの自動車・二輪車部品の販売が収益の柱です。

財務


売上高は増加傾向にあります。

キャッシュフローは、「営業CF:プラス、投資CF:マイナス、財務CF:マイナス」となっており、王道企業であると言えます。
自己資本比率は63.0%と高く、財務健全性が高いです。

株主からの視点

PER11.5倍と割安ですが、理論株価と株価を比較すると、理論株価1,875円に対して株価1,716円とフェアバリューとなっています。
ROEは5.75%です。

将来の展望

将来の展望として、以下の事項に取り組むとしています。

  • GooPitの送客事業(Goo車検など)の強化
  • グーネットの取引社数増加
  • タイヤ・ホイールの販売強化
  • バイク用品ECサイトの強化
  • プロトメディカルケアの医療・介護・福祉関連事業の強化
  • 3.先端技術を研究・開発するIT企業

    ①ディー・ディー・エス(3782)

    株式会社ディー・ディー・エスHPより引用

    会社情報

    上場年:2005.11
    市場:東証マザーズ
    本社:名古屋市中区丸の内3-6-41 DDSビル

    事業内容

    指紋・静脈・顔などを活用した生体認証ソフト・装置を開発する「株式会社ディー・ディー・エス」。同社の生体認証ソフトを導入することにより、複数のシステムへ同時ログインができる「シングルサインオン」や二要素認証、仮想デスクトップ連携などを実現できます。
    官公庁をはじめ大学、金融機関、民間企業など、パスワード管理をおこなう組織に導入が進んでいます。

    財務


    売上高は徐々に伸びています。

    キャッシュフローは、「営業CF:マイナス、投資CF:プラス、財務CF:マイナス」となっています。
    自己資本比率は75.2%とかなり高いです。

    株主からの視点

    PER114.7倍とかなり割高です。理論株価と株価を比較しても、理論株価-45円に対して株価849円と割高な水準となっています。
    ROEは5.67%です。

    将来の展望

    第22期有価証券報告書によれば、以下の事項に取り組むとのことです。

    • 新製品開発
    • 販売型からサービス課金モデルへの変更

     

     

    名古屋のIT上場企業、いかがでしたか?
    IT企業といっても、製造業のサポートやWebサービスを運営する会社、先端技術を利用した会社などがあり、どの会社も独自性を持っていることがわかると思います。
    変革の時期に突入している製造業、常に進化を続けるインターネット事業といった領域において、「名古屋発のサービス」をどんどん広めて欲しいですね!