名古屋大学発ベンチャーの株式会社Photo electron Soulが総額2.6億円の第三者割当増資を実施

投稿者: | 2018-03-05

株式会社Photo electron Soul(所在地:名古屋市千種区)は、既存リードインベスターであるBeyond Next Ventures株式会社の運営ファンド、大和企業投資株式会社の運営ファンド、国立研究開発法人科学技術振興機構を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額2.6億円の資金を調達しました。

電子ビームに革新をもたらしたPhoto electron Soulのフォトカソード技術

Photo electron Soul公式ホームページのスクリーンショット

Photo electron Soulは、電子ビーム発生装置及び素子の研究、開発、製造および販売を主要事業とする名古屋大学発ベンチャー。世界で初めて、デスクトップサイズのフォトカソード電子ビーム生成システムを実現しています。

電子ビームとは、ナノレベルでの加工・検査などに広く使われる基盤技術。微細化・多層化が急速に進む半導体製造分野での重要性がますます高まっているにも関わらず、電流密度の不足が課題となっていました。

この電子ビームに革新をもたらしたのが、材料に光を照射することで、光のエネルギーにより電子ビームを取り出す「フォトカソード技術」です。30年来の研究に基づき培われてきた技術で、これにより、従来では不可能な高性能かつ多彩な電子ビームの生成が可能となりました。これを半導体検査に適用することで、飛躍的な処理能力の向上を実現します。

“次世代半導体検査装置”の実用化へ

大学発・技術系ベンチャーへのインキュベーション投資に特化したBeyond Next Ventures株式会社が、同社の技術に着目。“Photo electron Soulの開発する「半導体フォトカソード」型電子ビームに大きな期待をかけて、2016年・2017年に次ぐ追加投資の決定を発表しています。

Photo electron Soulは今回の資金調達を通じて、同社電子ビームを搭載した“次世代半導体検査装置”の実用化に向けた体制を強化する予定。将来的には、コア技術を生かし、電子ビームの新しい応用展開を計画しています。これが実現すれば、ライフサイエンス、材料、エレクトロニクスなど、さまざまな分野にブレークスルーをもたらすでしょう。