第3回「Evening Pitch in 名古屋 2017」ピッチ登壇企業をレポート

投稿者: | 2017-07-27

トーマツベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社、株式会社ジャフコが主催、中部ニュービジネス協議会(CNB)が共催するピッチイベント「Evening Pitch in 名古屋 2017」の第3回が2017年7月19日(水)に開催されました。今回も様々な業界から4つのスタートアップ・ベンチャー企業がピッチで登壇しました。会場には多くのオーディエンス企業が集まり、ピッチ後の質疑応答もさかんに行われました。また、名古屋スタートアップ株式会社代表 若目田も登壇し、「Nagoya Startup News」の紹介をさせていただきました。

前回開催時の様子はこちらからご覧いただけます。

今回は、ピッチに登壇した4つの企業をご紹介します。

株式会社トラベロコ

株式会社トラベロコは、海外渡航に際し、海外在住日本人に滞在中の様々な場面でのサポートをお願いできるマッチングサービスを提供しています。トラベロコは海外でサービスを利用したい個人と、「ロコ」と呼ばれる海外在住日本人のマッチングを行い、「ロコ」は自身の知識や経験、能力を生かして利用者に観光地の案内や言語面でのサポートなどを行います。実際に海外で利用者と「ロコ」が会う際の安全面についての質問も寄せられ、代表取締役の椎谷豊氏が両者のマッチングに関する留意点を解説しました。

株式会社イージステクノロジーズ

イージステクノロジー代表取締役の茅野修平氏

今年で創業3期目に入ったイージステクノロジーズは、汎用ポジショニングセンサを利用した道路状況の高精度監視技術開発や、自動運転技術における走行位置補正情報提供の研究を行っています。同社の製品「極小型汎用記録計」をオーディエンスに見せながら、記録計を道路に設置して路面状態を監視する方法を紹介しました。今後は交通インフラ領域での使用に注力し、2020年から2022年にかけてIPO上場を目指すようです。静岡県から参加した企業として会場の注目を集めました。

株式会社トライエッティング

トライエッティング代表取締役の長江祐樹氏

名古屋大学発ベンチャーの株式会社トライエッティングは、独自開発した人工知能技術により過去の実績データ、天候、為替変動、サイコロジカル変数などを分析し、受注数を正確に予測する在庫管理システムを提供しています。また、労働力のRPA化(人工知能による、主にホワイトカラー業務の効率化)により、サービスリリースから3ヶ月で年間総計129,600時間の労働時間のカットに貢献したことも大きくアピールしました。

株式会社U-MaP

U-MaP代表取締役会長の宇治原徹氏

同じく名古屋大学発のベンチャー、株式会社U-MaP。ピッチでひときわ熱弁を振るった代表取締役会長の宇治原徹氏は、名古屋大学未来材料・システム研究所の教授でもあります。電気絶縁性のセラミックスで、熱伝導度が金属アルミニウムに匹敵する値を持つ「材料窒化アルミニウム(AlN)ウィスカー」の大量合成に世界で初めて成功した研究グループです。電子機器やLED、自動車や音響スピーカーなど、幅広い場面で熱対策に生かされるAINウィスカーの高い放熱性能を紹介しました。

企業の規模や業界を越えた交流の場

各企業の登壇後には質疑応答の時間が設けられ、オーディエンス企業は積極的に質問を投げかけました。中には、質問時間が足りなくなってしまうほど盛り上がりを見せた場面も。さらに、ピッチ後の交流タイムでは各登壇企業関係者の周りに人だかりができ、参加者同士が積極的に情報交換を図ろうとする様子が伺えました。

第3回の今回は、前回にもまして登壇企業の業界やバックグラウンドが多様になったと感じました。「Evening Pitch in 名古屋 2017」、今年の開催は残すところあと2回です。スタートアップから大手企業まで規模や業種を越えてポテンシャルを秘めた東海圏の企業が集結し、今後どんな化学反応を見せていくのか楽しみです。