ゲームサーバーは作るものから使うものへーGame Server Services丹羽社長へインタビュー

投稿者: | 2016-12-30

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今年12月7日、北名古屋市のITスタートアップ企業がワンダープラネットより出資を受けました。Game Server Services — 元セガ・任天堂のサーバーエンジニアが立ち上げた、ゲームインフラに特化したサーバーサービスを提供する会社です。

今回のインタビューでは、Game Server ServicesのCEOである丹羽社長にインタビューをお願いし、今年12月から新しくなったワンダープラネットのオフィスにて、出資を受けるまでの経緯と今後の展望についてお伺いしました。

丹羽 一智氏
Game Server Services 株式会社 代表取締役社長CEO

1985年生まれ、滋賀県野洲市出身。京都コンピュータ学院を卒業後、ゲーム会社であるセガ・任天堂でエンジニアとして活躍。家庭用ゲーム機のサーバーの技術をモバイルゲームに応用させることにチャンスを感じ、2016年9月にモバイルゲームのバックエンドサーバーを開発・運用するGame Server Services 株式会社を設立・同社代表取締役社長CEOに就任。

12月始めにワンダープラネットが出資、その経緯とは?

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ワカメダ:Game Server Services(以下、GS2)は今年9月に設立され、12月始めには名古屋でスマホゲーム開発をするワンダープラネットから出資を受け、最近はテスト版のサービスをローンチするなど、順調な滑り出しを見せています。

まずは出資を受けるまでの経緯をお伺いしてもいいですか?

丹羽:まず前提として、今回の第三者割当増資は資金調達が目的ではありません。それぞれ事業会社としてシナジーがあるので出資して頂くに至りました。

現状フルタイムの開発者は私一人なので、さらに資金調達をして開発体制を強化していく予定です。ワンダープラネットとは今後の資金調達を進める上でのパートナーシップを組めたらなと考えています。もちろん、サービスを共に成長させるパートナーとしても期待しています。

もう既に何社かVCを回っているのですが、資料作りや事業計画作りもワンダープラネットの方に指摘して頂きながら進めています。なんとか来年3月の決算までに資金調達を終えたいですね。

サーバーレスアーキテクチャ元年にいかにリードできるか

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ワカメダ:ありがとうございます。では、次に事業についてお伺いします。そもそもサーバーレスアーキテクチャの概念を導入しているスタートアップ企業は少ないと思いますが、GS2の強みはどこにあるのでしょうか?

丹羽:このような技術はコンセプトが生まれてから3~4年経って採用事例が出てきて、やっと「〇〇元年」と言われるようになります。今はちょうどコンテナ型仮想化元年と言われています。

なので、市場的にはまだサーバーレスアーキテクチャが採用される段階には至っていません。逆に、「サーバーレスアーキテクチャ元年」になる2~3年後に向けてコミットして開発に踏み込んでいる点が、GS2としての強みになっていると思います。

ワカメダ:なるほど…。

丹羽:とはいえ、GS2のβ版のサービスでは敷居が高いと感じたので、Unityで制作されたゲームクライアントから直接GS2を利用できるサービスを開発して、導入する環境を整えていきたいと思っています。とにかく新しいことに挑戦しているので、事業計画に捉われず、状況を見て判断していきたいですね。

ゲームサーバーは作るものから使うものへ

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ワカメダ:丹羽さんが考えているサーバーレスアーキテクチャやGS2へのビジョンはありますか?

丹羽:会社としては、「ゲームサーバーを作るものから使うものへ」スローガンを掲げています。

例えば、スタミナ値の管理やメッセージボックスなど、ゲームの個性を出すための機能でない部分だと考えています。このような部分は、GS2を使って開発を速く進めるの方がメリットがあると思っています。

メンテナンスが不要ですし、GS2では1時間2円(月額1400円程度)から使うことができます。

ワカメダ:サーバーを数台借りるだけで何万円と払うことを考えると、相場としてはかなり安いですよね。

丹羽:はい。サーバーが壊れた時にサービスが止まらないように対応されていて、この価格です。

モバイルゲームはどうしても当たり外れがあるので、サーバーを容易に大きくしたり小さくしたりすることも重要になります。GS2を利用することは、費用的にも効果的にもリスクヘッジになるのではと思っています。

名古屋はソフトウェアベンチャーにチャンス

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ワカメダ:では最後に、名古屋圏のテック界隈の方々に向けてメッセージをお願いします。

丹羽:愛知県全体としてものづくりが盛んですが、案外ソフトウェアの生産が盛んに行われていないという印象があります。ですので、名古屋でソフトウェアベンチャーを始めるのは、選択肢としてアリだと思います。

僕はあまり起業思考は無くて、むしろ安定思考だったのですが、地方発のベンチャーだからこそできることも多いと肌で感じ、スタートアップに振り切ることができました。ぜひこのチャンスを、皆さんにも感じて欲しいと思っています。

編集部コメント

サーバーエンジニアとして活躍した経験を生かし、ゲームサーバーの新時代を担う丹羽社長に、今後も期待が高まります。Nagoya Startup Newsでは、引き続きGS2の事業展開を追っていく予定です。

取材にご協力してくれた丹羽社長、本当にありがとうございました。

インタビューワー:若目田 大貴
書き起こし:深谷名月

Game Server Services 株式会社の公式ホームページはこちらから