“Castreasure”で実現する資源循環と脱炭素 ~中央可鍛工業×SyncMOFの挑戦~

投稿者: | 2025-06-19

Castreasure(プレリリースより引用)


中央可鍛工業株式会社(本社:名古屋市中川区、代表取締役社長:武山豊氏)と名古屋大学発スタートアップのSyncMOF株式会社(本社:名古屋市千種区、代表取締役:畠岡 潤一氏、以下:SyncMOF)は、鋳造工程で発生する不要物(廃棄物)を原料としたガス吸脱着材“Castreasure(キャストレジャー)”の共同開発に成功したことを発表しました。本取り組みにより、未活用資源を有効利用することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

Castreasureは、金属イオンと有機配位子で構成される金属有機構造体「MOF(Metal Organic Frameworks)」を、鋳造工程から回収される不要物を原料に合成した新素材です。従来は市販の試薬を用いて作られていたMOFと比較しても、同等以上のガス吸脱着性能を持ち、二酸化炭素をはじめとする多様なガスの吸着・除去に活用できます。

名称には「Cast(鋳造)」と「Treasure(宝物)」を組み合わせた意味が込められており、廃棄物に新たな価値を与えるアップサイクル技術として注目されています。今後は、形状加工や耐久性の検証を進め、実用化を目指すとしています。

廃棄物を価値ある資源に 環境と経済を両立する技術に注目

従来と将来の工程フロー(プレリリースより引用)


これまで廃棄物として処理されていた鋳造工程の副産物を再資源化する本技術は、サーキュラーエコノミーの実現に寄与するだけでなく、排出されたCO₂を直接吸着・除去できる点でも大きな可能性を秘めています。将来的には、CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)やDAC(Direct Air Capture)技術への展開も視野に入れ、さらなる研究が進められる予定です。

また、開発したCastreasureは、2025年開催予定の大阪・関西万博において「MOF FES ヒーローになるCO₂プロジェクト」の一環として紹介されており、今後の実用化に向けた社会的な関心も高まっています。両社は引き続き連携し、産業廃棄物を価値ある資源へと転換する技術開発を進めることで、持続可能な社会づくりに貢献していくとしています。

併せて読みたい

Nagoya Startup Newsでは、名古屋を中心に東海圏におけるベンチャー企業や新技術に関連する最新情報、業務提携に関するニュースを配信しています。東海圏のベンチャー企業や新規事業、オープンイノベーション分野に興味のある方は、以下の関連記事も併せてご覧下さい。

#NALIC特集 SyncMOF株式会社:MOFの実用化を加速させ社会を変える名古屋大学発ベンチャー

通勤やマイボトルで脱炭素に貢献 愛知県、CO2削減アプリ活用で参加型施策を展開

環境に優しい未来へ:ヨコオとパートナー企業が提供する燃料電池カーシェアリング