農業ロボット「アダム」、豊橋市で実証から実用へ 地域発の省力化支援が始動

投稿者: | 2025-09-09

プレリリースより引用


輝翠株式会社(本社:宮城県、代表:タミル・ブルーム氏)は、2025年8月26日、愛知県豊橋市が主催するアグリテックコンテストの入賞プロジェクトとして誕生したオフロード自律走行AIロボット「アダム」の実演会を、豊橋市内の柿農園で開催しました。実証実験を経て実用化された本ロボットは、同日よりシェアリングサービスの提供も開始され、農業現場での本格活用が始まりました。

実演会は、「百年柿園ベル・ファーム」(豊橋市)の柿畑にて開催されました。アダムは作業者を検知して追従走行が可能なほか、自律走行機能や、月面探査機由来の走破性により、傾斜地や悪路でも安定した作業を実現します。除草剤散布の実演では、従来の手作業と比べ、作業時間が半分以下に短縮され、作業者の身体的負担も大幅に軽減されました。

最大積載量は300kgで、柿の収穫かご10個分を一度に運搬可能。収穫や剪定、摘果作業のサポートとしても期待されており、農家からは「人が乗ったまま横移動できるようになれば、さらなる省力化が見込める」との意見も出ています。こうした現場の声を受け、農家の圃場に合わせた「ミニ版」の開発も進められています。

プレリリースより引用

市の補助金と連携企業のシェアで導入促進 ロボット普及を後押し

アダムは2025年春から販売を開始しており、価格は税込275万円。中部・西日本エリアでは初となる導入として、豊橋市のマルシメ株式会社が1台を購入し、1日・1週間・1カ月単位で利用できるシェアリングサービスを開始しました。実演会当日には、輝翠株式会社とマルシメ株式会社の間で連携協定も締結されています。

導入費用は、豊橋市が実施するアグリテック導入支援補助金の対象となっており、農家の導入ハードルが下がることで、今後の普及拡大が期待されます。豊橋市地域イノベーション推進室の小野健太郎氏は、「高齢化が進む果樹農家の担い手不足に対し、ロボット技術の活用が課題解決の一助となれば」とコメント。豊橋市主導のイノベーション推進と連携した本事業は、農業分野にとどまらず、建設現場などへの展開も視野に入れ、さらなる可能性を広げています。

※「アグリテックコンテスト」および「TOYOHASHI AGRI MEETUP」は、愛知県豊橋市が地域のスタートアップと農業者をつなぐ形で展開している実証開発支援プロジェクトです。

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