Acompanyが世界的に注目を集めるMPC秘密計算エンジン「QuickMPC」を独自開発

投稿者: | 2020-10-09

株式会社Acompany(本社:愛知県名古屋市)は、秘密計算手法の一つであるマルチパーティ計算(MPC:Multi-party Computation、以下MPC)による秘密計算エンジン「QuickMPC」を独自開発したことを発表しました。
MPCエンジンの構築には高度な専門性とエンジニアリング能力が必要であり、研究目的に開発されたMPCエンジンが多い現状があります。実際のユースケースに合ったMPCエンジンは世界的にも稀であることから、Acompanyは汎用性の高いMPCエンジンを独自開発しました。

秘密計算とは?

従来の計算方法では、通常時にデータを暗号化していても、データの利活用時には暗号を解除した状態で計算する必要があり、セキュリティリスクやユーザのプライバシーの保護の課題がありました。しかし、秘密計算技術を使えば、データを暗号化したままの状態で計算でき、セキュリティ水準を飛躍的に高めることが可能になります。
この秘密計算技術の一つとして近年注目されているのがMPCです。MPCは、複数のサーバ間で通信を行いながら同じ計算を同時に行う仕組みです。これにより、組織を越えて暗号化したデータを提供し合うことで、ユーザのプライバシーを含む、位置情報や顧客情報、医療情報などを秘匿化したデータ分析に繋げることが可能になります。

(画像:プレスリリースより引用。QuickMPCによる三社間データ連携の概要イメージ)

秘密計算エンジン「QuickMPC」の特徴

「QuickMPC」では、比較的高速かつ汎用的に演算処理が可能な秘密分散方式のMPCプロトコルを採用。本番環境を想定し、コンテナ技術を採用したことで、優れた可搬性と一貫性を達成しました。これにより、MPCエンジンの構成をユーザーの要件に合わせて柔軟に設定することができます。
また、開発者が専門的な知識を持つことなく、秘密計算を手軽に実装できることも強みです。MPCエンジンと外部とのやりとりをするための独自SDKも開発しているため、ユーザーは簡単なインターフェースの操作だけで、データの秘匿化・分析の実行・データの復号を実行できます。
Acompanyは今後、開発した「QuickMPC」を基に、パートナー企業との実証実験、共同研究の推進を行う予定です。