中部圏イノベーション促進プログラム「ビヨンド ザ ボーダー」の第2クールを開始

投稿者: | 2019-04-05

3月15日(金)に、中部圏イノベーション促進プログラム(中部経済連合会主催)のイノベーションドライバー(※)育成プログラム「ビヨンド ザ ボーダー」の第2クールの初日が名古屋栄ビルディングで開催されました。このプログラムは、3段階のプログラムを通じて新たな価値の創造を社会に提供するものです。

※イノベーションドライバー…起業や新規事業開発、既存事業の画期的な改革を推進していく人材。

ビヨンド ザ ボーダーとは

中部経済連合会が展開する「ビヨンド ザ ボーダー」の目的は、起業や社内ベンチャー、新規事業の開発、既存事業の画期的な改革を推進していくリーダー「イノベーションドライバー」の育成です。2018年6月から実施された第1クールでは、中部圏の様々な規模の企業から26名が集まり、各分野で活躍する専門家の講義やグループワークを通じて新規事業の構想やネットワークを作りました。2019年3月からスタートした第2クールの参加者は25名。中部地域の経済を支える製造業はもちろん、情報通信、金融、マスコミなど多様な分野から参加者が集まりました。

第1クールの最終成果発表会の様子はこちらから

「ビヨンド ザ ボーダー」の第2クールの初日は、中部経済連合会専務理事である小川氏の開会の言葉からはじまり、フィールドフロー株式会社代表取締役の渋谷氏、富士フイルム株式会社 イノベーションアーキテクト中村氏の講演がありました。本記事では、3者のコメントの一部をご紹介します。

中部圏から新たな価値創造を、第2クールへの期待

中部経済連合会専務理事の小川氏

本プログラムを通じて、イノベーションについて考え方の手法を学んでいただくとともに、広い視野と前向きな知識を身につけていただきたいと思います。そして、このプログラムが終了する3ヶ月後、参加者同士のネットワークを財産に、この地域における新たな価値を生むイノベーションドライバーとして活躍することを大いに期待しています。

続けて、少子高齢社会に伴う労働人口の減少や、国内外をとりまく社会産業構造の変化など、今後の日本経済を維持していくためには生産性の向上が不可欠であり、そのためにはこれまでとは異なるビジネスが必要だと小川氏は語りました。

事業創造へのマインドチェンジ

フィールドフロー株式会社代表取締役の渋谷氏

「ビヨンド ザ ボーダー」の参加者は、中部圏の大中小企業に務める会社員であり、業界も職種も異なります。ここで求められる成果レベルは、社会実装が可能な事業を創り、具体的に会社や行政などを動かす実践者としてのマインドチェンジです。本プログラムのメインファシリテーターであるフィールドフロー株式会社代表取締役の渋谷氏は、以下のように会場に語りかけました。

このプログラムでは、自分らしくひたすら感じ、考えてください。そして、より多くの人と対話して、体験することで、多様な視点を取り入れてください。もちろん、ワークショップの日以外も常にこの考えは意識していてください。また、会社や既存の枠組みにとらわれないでください。そして、自分で限界を決めずひたすらに“やる”ことです。

富士フイルムのオープンイノベーション先進事例

富士フイルム株式会社 イノベーションアーキテクト中村氏

デジタルカメラをはじめとしたイメージング、ヘルスケアなどのインフォメーション、富士ゼロックスのドキュメント の3つを柱に事業を展開する富士フイルム株式会社。同社では、デジタルカメラやスマートフォンなどの台頭により、2000年以降は中核事業であった写真フィルムがの需要が激減し、事業構造の抜本的な改革が求められてきました。その1つに富士フイルムのナノテクノロジーを活かした化粧品「アスタリフト」シリーズがあり、異業種からの化粧品業界への参入にも関わらず、販売開始から4年目には売上高100億円を突破。当時を振り返りながら、富士フイルムのイノベーションについて、中村氏は以下のように語りました。

平均年齢40代前半の男性社員が多い現場では、どのようにして女性向けの化粧品をつくればいいのか失敗の連続でした。しかし、我々富士フイルムには独自の最先端技術があります。富士フイルムならではの技術で、もっと新しいことができるのではないかと思っていました。それが、富士フイルムの第二創業で実現しました。

中村氏の講演では、時代の変化を捉えながら富士フイルムが企業としてどのようなイノベーションを起こしてきたのか、具体例を交えながらが語られました。今後の新規事業戦略についてワークショップの中で、参加者は意見交換をし、講演の最後には多くの質問が飛び交いました。

新たなメンバーを迎えて始まったイノベーションドライバー育成プログラム「ビヨンド ザ ボーダー」の第2クール。新規事業の具体例をもとに、自ら考えることで参加者にとって学びの多い時間となったのではないでしょうか。

中部圏イノベーション促進プログラムの詳細はこちらから