名古屋でクリエイターがクリエイターらしく働ける環境を — 株式会社DCG Entertainmentの松国成泰氏にインタビュー

投稿者: | 2017-05-17
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名古屋でCG・グラフィックデザイン制作やゲーム開発事業を行う会社、株式会社DCG Entertainment。「人を活かし、人が創る」を理念として掲げるこちらの会社では、社員の教育研修システムやクリエイターに対する環境づくりに尽力しているようです。今回は、代表取締役の松国成泰氏に詳しいお話を伺いました。

松国成泰氏


株式会社DCG Entertainment代表取締役。名古屋市出身。東京のテレビ局で番組のCGデザイナーとして働いたのち、ゲーム制作会社に入社。CGデザイナーやアートディレクターを務める。当時働いていた会社の名古屋支社立ち上げを経験し、その後2016年4月に名古屋支社立ち上げメンバーと共に株式会社DCG Entertainmentを創業。

—現在、名古屋で株式会社DCG Entertainmentの代表取締役を務める松国さんですが、もともとは東京でお仕事をされていたそうですね。

はい。東京でCGデザイナーとしてフリーランスを経験した後、在京のテレビ局で働いていました。その後、転職してゲーム会社に入社し、現場のデザイナーやアートディレクターを務めました。その会社でしばらく経験を積んだ頃、名古屋で新オフィスを立ち上げる話があがり、当時の上司と私の二人で名古屋に赴きました。実は、一緒に名古屋に来たその上司が、現在のDCG Entertainmentの常務になります。

会社の名古屋支社立ち上げメンバーとして、二人でゼロから組織作りを始めました。当時、私は新規開拓営業、デザイン統括、新人教育の3つの仕事を主に担当していました。

— 東京のゲーム会社でデザイナーとして経験を積んだのち、名古屋に赴いたのですね。その後、株式会社DCG Entertainment を立ち上げた経緯を教えて頂けますか?

当時の会社でデザイン受託の部署が10名程の規模に達した際、「デザイン受託事業において、チームワークと教育システムを強化させることができれば、事業としてさらに面白い展開ができるのではないだろうか」と思いました。そのアイデアが、起業に繋がったのです。事業だけではなく、人材や教育も重視した会社を作りたいと考え、独立して2016年4月に現在の株式会社DCG Entertainment を立ち上げました。現在で起業から1年が経過し、人員も20名程まで増えました。起業時に思い描いていた会社の理想形にすることができたと思っています。

— チームワークと教育システムに特化した会社をつくろうと思い、現在の会社を創業したのですね。具体的に、教育システムという観点でどのような強みを持っているのでしょうか?

弊社は、外部の大手ゲーム会社のグラフィック受託制作を行っています。 クオリティと人材の確保を両立しなければならない受託制作において、 私が前職で新人教育を経験していたことを活かし、弊社では特に教育システムの確立に注力しています。 教育によってサービスの質を担保出来る人材を増せていることが、強みとなっていると思います。

クリエイターとして専門の学校を卒業しても、名古屋ではまだまだIT系企業やゲーム会社は多くないので、希望の職種に就くことができるかは分かりません。しかし、弊社においては、基礎をしっかり学び素養がある方であれば、積極的に採用させて頂いています。独自の教育研修を経て、プロフェッショナルとして現場に出られるシステムを整えているためです。

ただし、お客様ありきの仕事ですから、クオリティの低下を招かないよう、先ずはOFF-JTでプロの技術と自覚を培って貰います。その後もOJTの体制をとっており、必ず先輩社員や役職者がクオリティを担保し、教育を続けてさらに質を向上させていく様にしています。

— 教育システムに関して、起業時から変化したことはありますか?

教育を行う上で、どのように評価していくか、どのように指導すればいいかなどは、現在まで徐々に改善してきた点です。教育には、終わりがありませんからね。技術面でも新しいシステムやトレンドなどが日進月歩で変わっていくので、その部分も含めて常にアップデートを行っています。

研修期間は3ヶ月と決めていますが、習熟度が早ければ、OJTを組み込んでいく場合もあります。仕事と平行してクオリティの向上を常に意識しています。

— 起業において、名古屋を選んだ理由は何だったのでしょうか?

名古屋で起業するメリットとして、同系企業の母数が多くないため人材の流動性が低いことを以前から実感していました。例えば東京では、スキルがついたらステップアップとして転職することは少なくありません。それ自体が悪いことではないのですが、組織づくりの部分を退職の度に見直す必要が出てきます。

人材の流動が少なければ、個々の人材に会社に対して向き合ってもらうことができます。私たちの仕事においては、質の高いサービスを提供する上でチームワークを強化したり、企業理念や目標を社員にしっかりと浸透させたりすることがとても大切なのです。

— 名古屋には、教育がしやすい環境があるということですね。

そうですね。一概には言えませんが、東京や大阪などの大都市だと、時間をかけて教育しても、数年後には別の会社に移ってしまうのではないか、能力を伸ばせば伸ばすほどその人材の流動性も高くなってしまうのではないか、という心配と向き合いながら教育を行っている企業もあると思います。

その点では、会社に対して真摯に向き合い、価値観を共有してくれる人材が生まれやすいことが、名古屋で起業する上でのメリットだと思います。

クリエイターがクリエイターとして辣腕を振るうことができる環境をつくることは、会社にとってもゲームグラフィック業界にとっても、有益ではないか考えていますし、これは私が会社を経営する上で最も達成したい目標でもあります。

— 今後の事業展開について、どうお考えですか?

現在、主軸として行っているデザイン受託事業については、さらに規模を大きくしていきたいと考えています。名古屋の優秀な人材はやはり積極的に採用していきたいですし、専任できるプロのクリエイターを増やしていきたいです。

その上で、教育研修制度は今期もさらに注力していきます。新人教育だけではなく、中途入社した経験者の方々も業界での対応力と多様性をさらに身につけられるよう、更なる制度設計を行なっていきたいと考えています。

DCG創業の根幹には、「この業界で長く生き残れる人材に育って欲しい」という想いがあります。知識の共有を積極的に行い、何年目であろうとクリエイターとして成長を続けられる仕組みを作りたいと思っています。

また、この業界で受託事業を行う中で、新しい技術を吸収したり、新たな表現方法を模索することができる機会に恵まれています。

現在、ゲームグラフィックのノウハウを活かしたVRゲームの開発など、新たな試みも進行しています。自社コンテンツを制作する体制づくりや新たなチャレンジも続けていこうと考えているので、今後の展開を期待して頂けると嬉しいです。

編集部コメント

徹底された社内教育を通して、クリエイターが活き活きと働ける環境づくりに尽力する松国氏のインタビューを通して、会社のメンバーに対して真摯に向き合う姿勢を感じました。それと同時に、名古屋という地域性や人材の流動性という着眼点も、非常に興味深いポイントでした。名古屋のゲームグラフィック業界を支える株式会社DCG Entertainmentの、今後の新たな動きが楽しみです。