Future of Mobility – ピッチ&フォーラム『モビリティの未来』イベントレポート

投稿者: | 2020-03-11

2020年1月30日、一般社団法人 中部経済連合会 とPlug and Play Japan株式会社が共催するFuture of Mobility – ピッチ&フォーラム『モビリティの未来』が、ナゴヤイノベーターズガレージで開催されました。イベントではピッチとフォーラムを同時開催し、自動車分野に関わる新事業・イノベーションのきっかけになることを目指します。

ピッチ&フォーラム『モビリティの未来』について

本プログラムは、一般社団法人中部経済連合会とPlug and Play Japan株式会社が共催するピッチ&フォーラムのイベントです。「100年に一度の大変革時代」と言われている自動車業界の未来について、産学官が一堂に集まり、リアル&ディープテックとスタートアップとの共創の場を提供します。

プログラムの背景や目的、詳細はこちらの特設サイトをご覧ください。

産学官が語りあう、次世代モビリティの夢

前半のフォーラムでは、名古屋大学やトヨタ自動車、名古屋市、国土交通省など自動車関連に携わる産官学がナゴヤイノベーターズガレージに集結。約180名の参加者に向けて「自社が関わるモビリティの夢」について語り、ディスカッションをしました。

スタートアップピッチ / Plug and Play Japanセッション

また、世界最大のアクセラレーター/VCの日本支社であるPlug and Play Japanの初の主催ピッチイベント「スタートアップピッチ/Plug and Play Japanセッション」も同時開催。同社は、国内外の大手企業とスタートアップの架け橋となり、日本のグローバル・エコシステム構築に貢献する企業です。今回は、Plug and Play Japanが支援している国内外のスタートアップが次世代モビリティの事業展開についてピッチしました。

株式会社フレクト(日本)

株式会社フレクトは、クラウド・ネイティブ・インテグレーター。配送や営業、フィールドサービス車向けに効率改善目的でリアルタイム車両動態管理のCariot(キャリオット)をSaaS型で提供しています。SalesforcePlatformをベースとした100%クラウドのマルチ・クラウドインテグレーションサービスで支援しています。
ます。

FleetOps(カナダ)

FleetOpsは、AIと車両データを活用して、トラック運転手と運送貨物のマッチングを提供しています。カナダに拠点を置く同社は、米国のトラック運転手に義務付けられているアプリケーションの企業と提携。その最先端ユーザー基盤から得られるデータと、物流に最適なアルゴリズムを利用して、各運転手に最適な運送情報を最適なタイミングで提供しています。

Autofleet ltd.(イスラエル)

Autofleetは、モビリティに対するあらゆる需要に応える柔軟な供給を実現する、史上初の保有車両向けVaaS(サービスとしての車両、Vehicle as a Service)プラットフォームを提供しています。2020年1月現在、7カ国で1,300台以上の配備車両を最適化。自由回遊型のカーシェアリング事業者には、自動的に保有車両を再調整してサービス提供ができるようになり、レンタル会社は配車プラットフォームへ補完的供給をし新しいビジネスモデルを生み出せるようになります。

株式会社エーエヌラボ(日本)

株式会社エーエヌラボは、画像AIを活用した業務の自動化・効率化ソリューションを提供しています。同ソリューションにより、「目視確認」作業を全て自動化させ、商品棚の確認作業や事務処理などの業務効率化を実現します。

Ministry of Movement Pte Ltd(シンガポール)

SWATは、シンガポールに拠点を置くオンデマンド型バスサービスのプラットフォームプロバイダーです。デマンド型の共同輸送サービスを通じて、渋滞を緩和する技術を提供。同社は、公共交通機関や民間の輸送業者、大手企業と連携して大型車両やバスで効率的に人々を輸送する社会の実現を目指しています。また、シンガポールの輸送会社ComfortDelGro Groupや東京大学エッジキャピタルからの資金調達にも成功しています。

株式会社keeper(日本)

株式会社keeperは、移動で困っている高齢者と移動を提供できる介護タクシーを配車するサービスを提供しています。高齢者は生活に必要な移動手段が限られている一方で、自動車運転による交通事故は増加の一途をたどっています。同社は、このような社会課題を解決し、移動で困っている高齢者を幸せにするビジョンを持っています。

株式会社nommoc(日本)

株式会社nommocは、「リスクの少ないプラットフォーム事業+体験価値制作」のスペシャリスト。新しい移動文化を創造すべく”無料の移動サービス”を生活者に提供し、人々の人生を豊かで心地よいものにしていくことを目指す事業体です。ソフト開発と、車内外を含む車両ハード面の企画制作といった一気通貫制によりクライアントのニーズに応じた質とアジャイルな対応が特徴です。

Ubipark Pty Ltd.(オーストラリア)

オーストラリアに拠点を置くUbiParkは、車内モビリティソリューションを開発し、世界中の人々がより安全でスマートに移動できるようサービスを提供しています。同社のソリューションは、運転手がスマートフォンから駐車場を検索し、ナビゲート、アクセス、駐車料金の支払いまで支援します。

BaseTracK Technology Ltd.(エストニア)

エストニアに拠点を置くBaseTrackは、大型トラック・貨物物流会社向けに、あらゆる気象条件下でも全天候自動運転、20%の燃費節約を提供します。高度なハイブリッドナビゲーションをベースに、カメラやLiDARのようなセンサーがなくても車を操縦し、スマートフォンだけで必要な計算を全て行います。

AutoX Technologies, Inc.(北米)

AutoXは、自動運転レベル4に特化した自動運転車のスタートアップです。同社は中国や米国など大規模な展開に対応する、安全で信頼性の高い自動運転技術を確立。最先端のAIエンジンを開発しています。これにより、誰でも人や物を安全かつ効率的に輸送できるようにするAIドライバーを提供します。

Whip Mobility Sdn Bhd(マレーシア)

マレーシアに拠点を置くWhipは、SaaSソリューションを通じて、販売店(ディーラー)と顧客との間のコミュニケーション手段として機能する専門のモバイルアプリを提供しています。同社は、便利なコミュニケーション手段を提供して顧客の時間を節約することで、ディーラーから離反を防ぎ、消費者とディーラー、そしてOEMの間で真のロイヤルティを創出します。

Xenon Automotive India Pvt Ltd.(インド)

インドに拠点を置くXenon Automotiveは、自動車産業向け製品を提供するスタートアップです。同社が提供する「ClearQuote」は、人工知能を活用して自動車修理の損傷評価を簡略化、即時見積もりを提供します。その他に、自動車ディーラー管理ツールキット「Xe Track」、自動車ディーラー向けのハードウェアおよびソフトウェアを備えた「Nexo Fleet」などのサービスを開発しています。

Intellicharge Ltd.(英国)

同社のソフトウェアは、EVや充電用ハードウェアにエネルギー市場の力学を関連づけてEVの充電を自動的に管理。消費者がもっとも低価格かつ、クリーンな電気を車に充電できるよう展開しています。今後、さらに多くのEVと統合し、車両と並行してエネルギーを販売するOEMを支援していく予定です。

NanoFlowX(米国)

NanoFlowXは、電子機器用に独自開発したナノコーティングを製造しているメーカーです。同社が提供するナノコーティングは、湿気や埃、腐食、最近、ガスなどによる損傷から、電子機器を保護します。ナノコーティングにより、電子機器の寿命を伸ばし、二酸化炭素排出量と資源使用量を削減します。

株式会社エスイーフォー(日本)

エスイーフォーは、SEMANTIC CONTROL™とORCHESTRATED AUTONOMY™を使用したロボット遠隔操作を専門に研究しているロボット工学のスタートアップ企業。ロボティクス×VR×AIを融合した、通信遅延に影響を受けないロボット遠隔操作技術を研究開発しています。

株式会社Luup(日本)

Luupは、電動キックボードをはじめとした電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供しています。2019年には、浜松市・奈良市・四日市市・多摩市・岡崎市・横瀬町の6自治体と連携協定を締結。国内の主要電動キックボード事業者を中心にマイクロモビリティ推進協議会を立ち上げ、代表の岡井氏が会長に就任しています。

1日を通して開催されたピッチ&フォーラムの最後には、ネットワーキングの場が設けられ、産学官の垣根を超えた交流の場が生まれていました。ピッチ&フォーラム『モビリティの未来』は、今回をキックオフとして、今後も継続的に交流の場が設けられていくそうです。

編集部コメント

モビリティを取り巻く経済活動は、「100年に一度の大変革時代」と言われており、自動車を作って販売するところにとどまらず、エネルギーやまちづくりなどのインフラに深く関わる事業展開が求められます。そのひとつの動きに、2020年1月7日に発表されたトヨタ自動車が静岡県裾野市に設置する実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」が上げられます。今回のイベントを通して、産学官が連携して創り上げる次世代モビリティの到来をここ愛知県、名古屋から目の当たりにできました。

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