姿勢生成×筋疲労分析で現場改善へ ~シミュレーションによる負担軽減と工程改善に成果~

投稿者: | 2025-03-27

プレリリースより引用


株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治氏)は、トヨタ自動車株式会社未来創生センター(所在地:豊田市、センター長:古賀伸彦氏)と共同で開発した施工シミュレータ「GEN-VIR(ゲンバー)」に、姿勢生成機能と筋疲労分析機能を実装し、東名リニューアル工事(東名多摩川橋)にて作業員の肉体的負担軽減につながる工程改善を実現しました。今後、他の工事現場への展開も見据え、さらなる改良を進めるとしています。

GEN-VIRは、3DCG技術を活用し、工事現場や作業を仮想空間上に再現する施工シミュレータです。今回、新たに実装された作業姿勢の自動生成機能により、より実際の作業に近い形でバーチャル上の作業姿勢が再現され、筋疲労の分析精度が向上しました。さらに、筋疲労を時系列で算出する分析機能も改良され、実作業に即した詳細な負荷の可視化が可能となりました。

これにより、大林組では東名リニューアル工事において、モルタル打設作業の工程をシミュレーション。従来の7名体制から6名体制への変更を検討し、作業時間を維持しながら効率化と待機時間の削減を実現しました。また、作業中に最も筋負担が大きい工程を特定し、モルタルミキサーの導入を提案。機械化による負担軽減の可能性を確認しました。

シミュレーション活用で共通認識を形成、円滑な作業へ

モルタルミキサーを使用した場合のシミュレーション(作業時間と筋疲労度):プレリリースより引用


導入されたモルタルミキサーによる施工シミュレーションでは、ハンドミキサー使用時と比べて40分の作業時間短縮が確認され、筋疲労の軽減にもつながりました。このシミュレーション映像は、施工手順や安全対策を説明する場面でも活用され、作業員の理解促進や工程の共通認識形成に貢献しました。

作業員からは「シミュレーションのおかげで作業のイメージができていたため、スムーズに進められた」との声も上がっており、未経験の工程であっても事前に全員で共有することで、安全かつ効率的な作業が実現されたといいます。

大林組は今後もGEN-VIRの活用を広げ、さらなる機能改良を進めることで、生産性向上と作業者の負担軽減を両立した持続可能なインフラ整備を目指すとしています。

併せて読みたい

Nagoya Startup Newsでは、名古屋を中心に東海圏におけるベンチャー企業や新技術に関連する最新情報、業務提携に関するニュースを配信しています。東海圏のベンチャー企業や新規事業、オープンイノベーション分野に興味のある方は、以下の関連記事も併せてご覧下さい。

“見えなかった土”が見える時代へ 「土量計算.com™」が工事現場を変える

国内最低床クラスの搬送ロボット「AMR-160」で搬送業務の効率化を実現

国内最低床クラスの搬送ロボット「AMR-160」で搬送業務の効率化を実現