
プレリリースより引用
名古屋大学発スタートアップのイルミメディカル株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役CEO:塚本俊彦氏)と日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、代表取締役社長:小川裕義氏)は、体の深部に低侵襲で光を届けることを可能にする「超小型レーザー光源搭載カテーテル」を共同開発しました。本技術は、血管内から光を照射できる革新的な医療デバイスであり、2025年11月開催の「LASER WEEK in Tokyo 2025」で開発サンプルが世界初公開されます。

プレリリースより引用
両社は、イルミメディカルの「カテーテル型光治療技術」と、日亜化学の「次世代レーザー光源技術」を融合させた血管内レーザー照射システムを共同で開発しています。従来、光を活用した治療法である光線力学療法(PDT)や光免疫療法(PIT)は、体表面や内視鏡で到達可能な範囲に限られており、脳や膵臓など体深部に光を届けるためには開頭・開腹などの侵襲的な手術が必要でした。
今回開発されたシステムでは、超小型レーザー光源を先端に搭載したカテーテルを血管経由で体内に挿入し、ターゲット部位に光を直接届けることが可能です。この仕組みにより、従来のカテーテル機能に「光を届ける」という新たな役割が加わり、患者の身体的負担を大幅に軽減します。また、既存の血管内治療設備をそのまま活用できるため、医療現場での導入も容易です。
光治療を支えるハードとソフトの両輪で社会実装を推進

各臓器へのデバイス送達も、従来の血管内治療と同様:プレリリースより引用
本取り組みでは、デバイス開発と評価環境の提供を通じて、光治療の臨床応用を後押しします。ハード面では、世界最小クラスの超小型半導体レーザー光源による柔軟なカテーテルを実現し、冷却機構や安全センサ、照射方向制御などを搭載。薬剤の吸収特性に合わせて波長や光の質を調整できる点も特徴です。これにより、製薬企業が光治療用薬剤を開発しやすい環境を整え、事業性の向上にも寄与します。
ソフト面では、大型動物を用いた体深部光照射実験を成功させ、薬剤との組み合わせ評価を可能にする研究環境を整備。血管経由での光照射効果や臓器ごとの光透過性など、臨床応用に必要な知見を蓄積しています。2025年からは量産化段階へ移行予定で、複数の製薬企業との共同研究も進行中です。
イルミメディカルと日亜化学は今後も協力を強化し、光治療の社会実装に向けたオープンイノベーションを推進します。両社は2025年11月22〜24日に開催される「LASER WEEK in Tokyo 2025」にて、本システムを世界に先駆けて公開する予定です。
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