気象データ×AIで果実トレー需要を予測 日本モウルド工業が在庫30%削減を実現

投稿者: | 2026-05-22

日本モウルド工業株式会社公式サイトより引用


パルプモウルド製品の製造・販売を手がける日本モウルド工業株式会社(本社:愛知県三河安城氏、代表:石原雄大)は、青果物容器分野における過剰在庫や欠品リスクの解決に向け、気象ビッグデータを活用した青果物出荷量予測モデルを独自に開発しました。平均気温、降水量、風速などのデータをもとに、梨向けの果実トレー需要をホールサイズごとに可視化するもので、2024年には同モデルの活用により在庫30%削減を実現したとしています。

青果物容器の製造業界では、これまでユーザー側による事前発注予想、いわゆるフォアキャストが十分に行われない中で、シーズン中の限られた期間に発注が集中する傾向がありました。このため、メーカー側では一定の見込み生産によって在庫を積み上げる必要があり、過剰在庫や欠品のリスクを抱えてきました。加えて、青果物は品種が多岐にわたることから、生育状況によって越年在庫が発生しやすく、不要な製品移動に伴う環境負荷も課題となっていました。

こうした課題を受け、日本モウルド工業では、代表の石原雄大氏が自ら「気象データアナリスト」のプログラムに参加し、青果物容器の販売数量と気象データの相関分析に着手しました。その後、石原氏をはじめとするプロジェクトメンバーが、20年分の青果物容器の販売実績と気象データをもとに分析モデルを構築。特にシーズン変動の大きい「梨」を対象に、平均気温、降水量、風速といった複合データからトレー需要を予測する仕組みを整えました。

左:様々な気象データと出荷数の相関性データ、右:2024年度モデルの予測と実際の実績(プレリリースより引用)

在庫最適化と環境負荷低減を両立する新たな生産モデルへ

同社によると、2024年に実際の気象データを作成済みの分析モデルへ入力した結果、モデルは十分に機能し、在庫30%削減という成果につながったとしています。需要の可視化により、ホールサイズごとの必要量をより的確に捉えられるようになったことで、過剰在庫と欠品の両リスクの抑制が期待されます。

今回の取り組みは、青果物容器業界における新たな生産計画モデルとして位置付けられます。今後は梨以外の青果物容器への応用も視野に入れており、分析結果を顧客側へフィードバックすることで、部材在庫の適正化や輸送に伴う環境負荷の低減にもつなげたい考えです。気象データとAIを組み合わせた需要予測が、製造現場の効率化とサプライチェーン全体の最適化を後押しする取り組みとして注目されています。

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