リアルテックファンドと山田商会HD、仮想発電所スタートアップに共同出資

投稿者: | 2025-09-17

プレリリースより引用


株式会社山田商会ホールディング(本社:名古屋市、代表取締役社長:山田豊久氏)と、UntroD Capital Asia(アントロッド、本社:シンガポール、Managing Director:丸幸弘氏)が運営するリアルテックグローバル2号ファンド(以下:G2号ファンド)は、シンガポール初の仮想発電所(VPP)を開発・運営するスタートアップ、Blue Whale Energy社への共同出資を実施しました。名古屋を拠点にインフラ事業を手がける山田商会ホールディングが、海外の革新的なエネルギー技術に参画することで、日本市場への進出も予定されており、愛知に本社を置く出資企業の動向にも関心が高まります。

VPP(仮想発電所)は、太陽光発電や蓄電池、EVなどの分散した電源をIoT技術で統合し、まるで大規模発電所のように制御・運用できる仕組みです。今回出資を受けたBlue Whale Energy社は、ナトリウムイオン電池と自社開発のエネルギーマネジメントソフトを組み合わせたフルスタックVPPプラットフォームを開発。2024年設立ながら、すでにバッテリーパック製品の開発・実証を完了し、シンガポールの卸電力市場にも参入しています。

VPPの概念図:プレリリースより引用

名古屋に本社を置く山田商会ホールディングは、都市インフラを支えてきた100年企業です。同社は「限られたスペースでも導入可能」「接続が容易」といったBlue Whale Energy社のソリューションに将来性を見出し、東海地域における災害対応力やエネルギーの地産地消への応用も視野に、グローバルな共創に乗り出しました。

日本市場進出へ本格始動 東海地方での展開にも期待

シンガポール工業団地内のBlue Whale Energy社のプロジェクトサイト:プレリリースより引用

Blue Whale Energy社は、今後の事業拡大に向けてASEAN諸国および日本市場への本格展開を予定しており、2025年には日本での製造・実装支援を本格化させる方針です。愛知県を中心とした製造業集積地である東海エリアでは、工場や商業施設における再エネ活用・BCP対策として、分散型電源の導入ニーズが高まっており、同社の技術との親和性が高いことが予想されます。

UntroDと山田商会ホールディングは、本件を通じて革新的なエネルギー技術を社会実装するだけでなく、地域の脱炭素化・災害レジリエンスの向上に寄与していく方針です。名古屋を拠点とする企業が海外の最先端技術と連携し、地域の未来を支える取り組みとして、今後の動向が注目されます。

併せて読みたい

Nagoya Startup Newsでは、名古屋を中心に東海圏におけるベンチャー企業や新技術に関連する最新情報、業務提携に関するニュースを配信しています。東海圏のベンチャー企業や新規事業、オープンイノベーション分野に興味のある方は、以下の関連記事も併せてご覧下さい。

#NALIC特集 日本ガイシとリコーがタッグを組んだ、新しいVPPビジネスの形とは|NR-Power Lab株式会社

愛知・JERA碧南火力でスタート、世界初の燃料アンモニア転換実証試験

名古屋発スタートアップiBody、韓国CORbioと体外診断薬を共同開発 ~グローバル展開を視野に連携強化~