中部日本放送が、民間で宇宙旅行・宇宙輸送の実現を目指すPDエアロスペースに出資

投稿者: | 2019-01-17


東海3県(愛知・岐阜・三重)にて、民放テレビ・ラジオを中心としたメディア運営を行う中部日本放送株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:杉浦正樹、以下「中部日本放送」)。宇宙旅行をはじめとする宇宙輸送の事業化に向けて、有人宇宙機開発を行うPDエアロスペース株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:緒川修治、以下「PDエアロスペース」)による第三者割当増資を引き受け、2018年11月30日に同社に出資しました。

無人宇宙飛行実験機による宇宙空間への到達と帰還を目指す

PDエアロスペースは、次の3つの特徴を持った宇宙機の開発を目指しています。

  • 打上げではなく、航空機のように離着陸できる
  • 機体は再利用できる
  • 空気の有無で燃焼モードが切り替わる次世代エンジン

中でも特に注力しているのが、エンジン開発。通常のジェットエンジンは、ファンやタービンの連続的な燃焼によるものです。一方で、PDエアロスペースのエンジンは、ガソリンエンジンのように空気の圧縮と爆発を交互に行います。この燃焼方法により、空気のあるときはジェット燃焼、空気のないときはロケット燃焼で、エンジンが稼働します。

この燃焼モード切り替えエンジンの特徴は、構造が簡単で効率が良いこと。これにより、信頼性を高めコスト削減が実現できます。PDエアロスペースは、エンジンの特許もすでに取得しています。

今回の資金調達で2社が目指すもの


PDエアロスペースは、今回調達した資金を、新型エンジンおよび機体のさらなる開発に活用する計画です。そして、日本初となる「無人宇宙飛行実験機による宇宙空間(高度100km)への到達および帰還」を2019年内に達成することを目指しています。

中部日本放送は、今回の出資と同社の放送・映像制作に関連する技術やリソースを通して、PDエアロスペースの事業成長を支援。愛知発の壮大な宇宙プロジェクトを実現させ、地元の活性化へとつなげる予定です。

また、PDエアロスペースとの連携により、「宇宙」をキーワードとして新たに事業領域を拡大。宇宙に関する映像コンテンツや新しい事業などを始める計画です。

経済産業省の「宇宙ビジネスの動向と政府の取組」調査によると、2008年から2014年まで、宇宙産業の市場規模は拡大し続けています。その中でも、民間企業による宇宙ビジネスへの参入は活発化しています。今回の資金調達により開発が進み、宇宙機が名古屋から宇宙へと飛び立つ日は近いかもしれません。