「社会価値を創造するためのお金の価値とは?」中部圏イノベーション促進プログラム ビヨンド ザ ボーダーのイベントレポート

投稿者: | 2018-09-07

8月23日(木)の午後、「中部圏イノベーション促進プログラム」(中部経済連合会主催)が名古屋栄ビルディングで開催されました。このプログラムは、3段階のプログラムを通じて新たな価値の創造を社会に提供するものです。

今回は、イノベーションドライバー育成プログラム「ビヨンド ザ ボーダー」の第4回目。起業や社内ベンチャー、新規事業の開発、既存事業の画期的な改革を推進していくリーダー「イノベーションドライバー」を育成し、参加者同士のネットワーク作りが期待されます。

テーマは「社会課題を捉えるためのワークショップ」。参加者はワークショップを通じて、新しい価値創出をするためのアプローチを学び、将来の二―ズから新規事業のアイディアを検討します。

今回、取り入れられたのは人を幸せにするおカネを感じるワークショップ「エミー&ゼニ―」。架空の都市「中経連バレー」を舞台に、チームや会場全体で課題に取り組みました。

エミー&ゼニ―のワークショップでは、6つのチームに分かれて、前半と後半で異なるテーマでそれぞれ会社を運営します。前半のゼニ―セッションでは、利益最大化のためのおカネ儲けをしてもらいました。

一定のルールに従えば、限られた資源の中でチームでの独占や売り惜しみなども可能。セッション終了時には、各会社の売上格差が生れました。

後半のエミー&ゼニ―Mixedでは、「個人の幸せと持続可能な企業のや街の豊かさ」を同時に考えます。前半のゼニ―セッションとは異なり、各会社が架空都市「中部圏イノベーションタウン」をより良くするにはどうしたらよいのか、代表者が話し合い提案をします。

そして、話し合いで出たアイディアをそれぞれ持ち帰り、社会のために必要な商品を会社で作成。個人の幸せや持続可能な企業や街のストーリーと一緒に商品を納品し、玩具の街を会場全体で作り上げました。

「前半のゼニ―セッションは、普段のみなさんが会社で働くスタイル、制約の中でしかできない活動でした。しかし、後半では制約がなくなることで前半に比べ各々の売上は向上しています」ワークショップの終盤では、ファシリテーターから参加者に問いかけられます。

個人の幸せと持続可能な企業や街の豊かさを同時に考えたとき、はたしてエミーの世界を現実化するために自分は何をしたらよいのか、参加者の気付きを促します。

参加者の中には、「エミーの世界のような自由な発想は憧れるが、会社員は会社の方針にマインドコントロールされる。そして、それを自分で変えようとは思わなかった」とワークショップで得た気付きと自分自身を照らし合わせる人も。

ファシリテーターからは「嘘でもいいから自分を変えていくことが重要。会社の中にいるめんどくさい人に自分がなること。このワークショップを開始する前は、玩具の街の完成図は誰1人として想像できなかった。それがイノベーションです」と会場に投げかけました。

日本の社会課題を捉え新しい価値を想像するには、会社や既存の枠組みにとらわれず、自分自身があらゆる可能性を考え行動することが重要です。参加者ひとりひとりが、このプログラムを通して学んだことを自身の会社に持ち帰り、どう社会に影響を及ぼしていくのか、今後の活躍に可能性を感じられる時間となりました。

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