名古屋大学発ベンチャーCraifと熊谷総合病院が共同研究を開始

投稿者: | 2021-09-28

プレスリリースより引用

Craif株式会社(本社:東京都文京区、以下Craif)は2020年9月28日、社会医療法人熊谷総合病院(所在地:埼玉県熊谷市)との共同研究契約を締結したと発表しました。本契約の締結により、「消化器・乳腺悪性腫瘍の発生機序・病態に関連する臨床情報・生体物質解析」および「健常者における体液(尿・唾液・血液)中のmiRNA解析」に関する研究が開始されます。

Craif株式会社

Craifは2018年5月に設立した名古屋大学発ベンチャー企業。全ての人が天寿を全うする社会を目指し、尿を利用したがんの早期発見を可能にする技術の開発に取り組んでいます。そんな同社が強みを持つのが、エクソソーム関連技術です。「エクソソーム(exosome)」とは近年注目を集めている細胞外小胞。2008年の研究で、エクソソーム内に核酸物質が内包されて他の細胞へと受け渡される細胞間情報伝達の可能性が示され、一気に研究が加速しました。

Craifはエクソソーム回収技術のパイオニアとして知られています。同社の開発したナノワイヤデバイスは尿からエクソソームを網羅的に捕捉。AI(人工知能)を組みあわせて医療に応用することで、現在のがん診療が抱えるさまざまな課題解決を可能にしています。特に、がん細胞が放出するエクソソームには血管新生や転移、免疫逃避に関連する分子が含まれることが示されており、がんの進展に適した微小環境構築に重要な役割を担うと考えられています。そこで同社の技術でエクソソームを高効率に回収すれば、がんをはじめとした多くの疾病に関わる細胞間のクロストークを高精度に読み取ることができます。

二つの共同研究と、その概要

今回Craifが熊谷総合病院とおこなう共同研究は「消化器・乳腺悪性腫瘍の発生機序・病態に関連する臨床情報・生体物質解析研究」と「健常者における体液(尿・唾液・血液)中のmiRNA解析」の2つです。

前者の研究では腫瘍に関連する複数の遺伝子やmiRNAの発現を、様々な解析を通して明らかにし、消化器・乳腺悪性腫瘍における個別化医療の実現を目指します。一方で後者は、健常者の体液(尿・唾液・血液)からmiRNAを捕捉し解析をおこない、体液による悪性腫瘍の早期発見技術の実用化を目指すものです。

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