昨年に引き続き、EY(アーンスト・アンド・ヤング)が主催する起業家表彰プログラム「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」の日本予選東海・北陸大会アワードセレモニーが、10月12日に名古屋マリオットアソシアホテルにて開催されました。過去にはGoogle社ラリー・ペイジ氏や、Amazon社のジェフ・ベゾス氏も参加したこの世界的な起業家イベントを、今回はNagoya Startup Newsがレポートしていきます。
審査と表彰のプロセス
EOYでは、まず各地から推薦部会などの協力により、多数の起業家が大会にエントリーします。今回のアワードセレモニーにて東海・北陸地区の代表となる起業家が発表され、選ばれた起業家は日本大会・世界大会へと駒を進めていきます。
選考基準は、
- Entrepreneurial spirit / アントレプレナー精神
- Value Creation / 企業価値の増大
- Strategic direction / 経営戦略の方向性
- National and Global impact / 成長可能性と影響力
- Innovation / イノベーション
- Personal integrity / Purpose-driven Leadership / 社会貢献
の6つの軸で評価をされます。
Startup部門では、注目の名古屋発ベンチャーが多数選出
スタートアップ段階の企業経営者を表彰する「Startup部門」では、名古屋周辺地区のベンチャー経営者が名を連ねました。
木村哲也氏が代表取締役として経営しているiSmart Technologies株式会社は、中小規模の製造業者の生産性向上を支援する碧南市のスタートアップ。モニタリングをする140ラインの内80ラインで平均34%、最大128%の生産性向上を記録し、年間1億円以上の労務費と4億円以上の設備投資を削減しています。
鈴木孝昌氏が代表取締役を務める株式会社テクムズは、特徴点を掴む画像認識AI「DEEPS」をメインプロダクトとしながら、マーケティングデータ収集や品質検査などのAIサービスを展開。AIに洞察力を持たせたニーズの先読みができるサービス構築を目指しています。
「明日のものづくりを今日しよう」を掲げる、名古屋大学発ベンチャー株式会社トライエッティング代表取締役CEO兼CROの長江祐樹氏は、システム組込AIプラットフォーム「UMWELT (ウムヴェルト)」や業界特化型AIソフトウェア(v-SaaS)を事業展開しています。
最後は、ラストワンマイル配送ルートの最適化を行う名古屋大学発ベンチャーの株式会社オプティマインド代表取締役社長の松下健氏。「どの訪問先を、どの車両が、どの順番に訪問するのが最適なのか」を計算するクラウドシステムの提供を実施しています。
なお、IPOが期待されている未上場企業やそれに準ずる規模の企業(事業)を経営する起業家を表彰する「Exceptional Growth部門」では、刈谷市発の株式会社テルミック代表取締役社長の田中秀範氏が表彰されました。
EOY 2018 Japan 東海・北陸地区代表が決定!
今回、Startup部門とExceptional Growth部門の2つの部門から、審査員特別賞と代表が決定されました。
Startup部門審査員特別賞は、名古屋大学発ベンチャーの株式会社トライエッティング長江祐樹氏が選出。Exceptional Growth部門では、ニット生地製造業、心臓修復パッチを開発中の福井経編興業株式会社(福井県)代表取締役社長の髙木義秀氏が選出されました。
そして、東海・北陸地区代表は、Startup部門からは株式会社オプティマインド代表取締役社長の松下健氏(写真右)、Exceptional Growth部門からは、スキンケア製品に特化の製品アウトソーシングサービス事業を展開する万協製薬株式会社 (三重県)代表取締役社長の松浦信男氏が選出されました。この両2名は、12月3・4日に東京で開催されるEOY Growth Forumにて、EOY 2018 JapanおよびEOY Japan Startup Award 2018に参加します。更に、日本代表に選出された起業家は、モナコ公国モンテカルロにて開催されるEY ワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2019に参加することができます。
今回のアワードセレモニーを通して、愛知県発、名古屋発の起業家の実力を目の当たりにすることができました。今後も彼らのアントレプレナーシップに注目です。