愛知発スタートアップFACTORY X、総額1億円を調達 在庫戦略モデルの事業化へ

投稿者: | 2026-05-25

プレリリースより引用


株式会社FACTORY X(本社:岡崎市、代表取締役:神谷喜穂)は、シードラウンドにおいて、STATION Ai Central Japan 1号ファンド、ANRI 5号ファンド、Data Driven Innovationファンドを引受先とするJ-KISS型新株予約権の発行に加え、名古屋銀行および日本政策金融公庫からの融資により、総額1億円の資金調達を実施しました。調達資金は、製造業向け「在庫戦略モデル」のプロダクト化と顧客基盤の拡大に充てる方針です。

FACTORY Xは、製造工程における在庫を戦略的に保有することで、生産性や収益性の向上を目指す「在庫戦略モデル」の開発・展開に取り組むスタートアップです。従来、製造業では在庫は削減対象とされ、リードタイムを軸に数量が決められてきましたが、サプライチェーンの巨大化・複雑化が進む中で、効率化を優先した結果、トラブル発生時の対応余力が失われるという課題が顕在化しているとしています。

同社の在庫戦略モデルは、生産・財務・リスクに関するデータを構造化し、予算の範囲内で在庫価値が最大となる在庫を適正在庫として算出するものです。これにより、経営層と製造現場が共通の基準で在庫を判断できるようになるとしています。適正在庫の算出に加え、経済効果のシミュレーションや、関連データを活用した製造工程の原価の可視化にもつなげ、工場経営の意思決定や業務効率化を支援していく考えです。

プレシードラウンドでは、大手自動車部品メーカーを中心にPoC(概念実証)を進め、一部企業では本格導入に向けた準備段階に移行しているとしています。複数企業での検証を通じて、適正在庫の算出ロジックとしての有効性と再現性が確認されつつあるほか、PoCを迅速に進めるためのExcelと最適化エンジンを組み合わせたツールもすでに開発し、実運用に活用してきたとしています。

プレリリースより引用

愛知発スタートアップとして事業拡大と導入加速を図る

今回のシードラウンドでは、プレシードで検証してきた在庫戦略モデルを、現場で使われるプロダクトとして確立することが主な目的です。FACTORY Xは、PoCを通じて複数の製造現場で適用可能性が確認されたモデルをもとに、本格導入への移行を進め、在庫の意思決定基準として定着させることを目指します。

引受先の一つであるSTATION Ai Central Japan 1号ファンドにとっては、FACTORY Xが初のリード投資案件となります。公表内容によると、同社はPRE-STATION Aiの段階からFACTORY Xと関係を築いてきたといい、自動車産業での複数プロジェクトを通じた事業進捗や、製造業・流通分野への展開可能性を評価し、出資を決めたとしています。ANRIおよびepiST Venturesも、サプライチェーン分断や地政学リスクの高まりを背景に、「在庫を戦略として捉える」考え方の重要性が増している点に着目したとコメントしています。

FACTORY Xは今後、プロダクトの実用化を進めるとともに、導入企業の拡大を通じて、工場単位にとどまらないサプライチェーン全体の強化につなげていく考えです。愛知発の製造業スタートアップとして、現場と経営の双方をつなぐ新たな在庫判断の仕組みを提示できるかが注目されます。

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