自動運転車は、高精度三次元地図データと車載センサーが取得した情報を重ね合わせる事で安全な自動運転が可能になります。今回の実証事業は、愛知県内を運行するタクシー車両を用いた三次元地図データ収集と、収集データによる三次元地図作成の精度検証及び自動運転システムへの活用検討を目的としています。
これまでの高精度三次元地図の作成には、MMS(モービルマッピングシステム)と呼ばれる三次元計測システムが用いられていました。データ収集のために高価なセンサーを車両に搭載する必要があり、コスト面での課題がありました。
そこで今回、安価なセンサーを用いて三次元地図を作成する名古屋大学の研究成果を活用したマップフォーの技術と、中日本航空の測位精度の高度化を実現する技術を組み合わせることで、車両に後付けできる簡易的な計測機器が誕生。従来のMMSと同精度の三次元地図作成ソフトウェアが開発されたことで、コストを抑えたデータ収集が可能になりました。
今後の実証事業の成果は、将来的な自動運転サービスやインフラ保守・点検においての活用が期待されます。また、MMSで計測された基盤地図データと連携することで、自動運転社会の実現を支える新たな情報インフラの構築を目指します。