名古屋のベンチャー企業のイグジットや資金調達が盛んに行われる中、2017年は地元大手企業もその波に乗るように、ベンチャー企業との協業事業やCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)が生まれるなどの動きを見せました。名古屋でもいわゆる「オープンイノベーション」が加速した2017年、どのような企業がこの領域に参入したのでしょうか。今回は昨年に記事化した情報を元に、名古屋でオープンイノベーションを行った4つの企業の取り組みを紹介していきます。
ゲオホールディングス
アクセラレーター:Creww株式会社
GEOなどのレンタルビデオ・リユースショップのチェーンストア大手のゲオホールディングスは、2016年後半から2017年前半にかけてアクセラレータプログラム「GEOグループアクセラレーター」を実施。店舗型ビジネス中心のゲオですが、既存の顧客ネットワークを活かした多領域への事業の拡大を狙いCREWWと協業しています。ファイナリストにはイラスト制作会社のフーモアやビーコン提供サービスのTangerineなどが選出されています。
中部電力
エネルギー業界初の取り組みとしてオープンイノベーション事業に参入するのは、「中電」でお馴染みの中部電力。2017年前半より本格始動したChuden-group Open innovation Environment、通称COE(声)プロジェクトには50社以上もの応募が集まりました。COEプロジェクトでは、アクセラレータプログラム・スマート電柱プロジェクト・社内業務効率化プロジェクトの3本が同時に動き、それぞれの分野でベンチャー企業との協業が計られています。
名古屋テレビ(メ〜テレ)
テレビ朝日系列局の名古屋テレビ放送は、2017年4月にCVC「メ〜テレVENTURES」を設立。投資領域はメディア・エンターテイメント・動画ビジネス及びインターネット領域全般と幅広く、メニューグルメサイトSARAHや、レイティングデータベース事業を展開するレポハピ、更に地元名古屋のベンチャー企業であり保育園・幼稚園の社会的課題を解決するサービスを提供するユニファなどに投資をしています。
中京テレビ
アクセラレータ:サムライインキュベート
日本テレビ系列局の中京テレビ放送は、サムライインキュベートと共同する形でオープンイノベーションプログラム「CHUKYO-TV INNOVATION PROGRAM」を2017年11月より開始しています。既に動画配信プラットフォーム「Chuun」でのコンテンツ配信やハッカソンイベントを開催するなどテクノロジー活用に積極的な動きを見せている中京テレビは、「コンテンツのリッチ化」「映像の利活用」「生放送2.0」の3つをテーマにベンチャー企業との連携を進めています。
地元ベンチャーとの協業可能性も
名古屋のベンチャー企業が盛り上がりを見せる中で、地元のベンチャー企業と協業していきたいと声をあげる大手企業も増えてきています。メ〜テレVENTURESによる名古屋発スタートアップ「ユニファ」への投資、中部電力のアクセラレータプログラムでの名大発AIベンチャー「キスモ」ファイナリスト選出など、既にその動きも見えるようになってきました。2018年、名古屋のオープンイノベーション事情がどう進展を見せるのか、期待が高まります。