名古屋からベンチャー転職を考える「Nagoya Venture Career Meetup」イベントレポート

投稿者: | 2019-06-06
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5月10日(金)、Midland Incubators Houseにて、「Nagoya Venture Career Meetup」が開催されました。当日は、ベンチャー転職界の第1人者であるキープレイヤーズCEOの高野氏・名古屋発若手ITベンチャー企業でミライアカリなどのVTuber事業で組織急拡大中のZIZAI(ジザイ)CEOの塚本氏、リクルート住まいカンパニーからベンチャー転職したスタメンの丸岡氏をゲストに迎え、キャリアコンサルタント・採用側・プレーヤーの視点で「ベンチャー転職」をテーマにトークセッションが行われました。

本記事では、その様子の一部をお伝えします。
※ファシリテーターは名古屋スタートアップ株式会社の若目田が務めました。

登壇者プロフィール

高野 秀敏氏|株式会社キープレイヤーズ CEO / 代表取締役

新卒で株式会社インテリジェンスへ入社。その後、株式会社キープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。1万名の方のキャリアカウンセリングと面談対策。マネージャーとして、キャリアコンサルタントチームを運営・教育。人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数100回以上。

塚本 大地氏|株式会社ZIZAI 代表取締役CEO

1993年生まれ、大阪出身の横浜育ち。幼少期を一瞬だけカナダで過ごし、小学校から横浜へ移住。小学生から大学までサッカーに打ち込み続けた元サッカー少年。大学在学中に部活をする傍らWebサービスを複数リリースし、1回目の大学4年次に共同代表の渡辺と株式会社DUO(現・ZIZAI)を設立。名古屋大学情報工学科4年(17卒)。

丸岡 智泰氏|株式会社スタメン マネージャー

中央大学卒、学生時代からベンチャー企業のアルバイトに従事。2社のバイアウトを経験。
2014年にリクルート住まいカンパニーに入社。スーモカウンター新築マンション事業部において、個人営業、法人営業、マネジメントに従事、新規事業の立ち上げも行う。約半年の兼業期間を経て、2017年1月に株式会社スタメンに正式に入社。

「良いベンチャー」とは?

若目田:今日は、ベンチャーへの転職に興味をお持ちの方が集まっています。「良いベンチャー」とはどんなベンチャーでしょうか?高野さん、キャリアコンサルタントとしてお答えください。

高野:伸びるベンチャーと転職して良い会社は100%一致しないのですが、伸びるベンチャーを良い会社だとすると、社長がもちろん大事です。隣に座っている塚本さんのように大きなことを言っていただく社長がとにかく大事で。社長が見ている世界までしか大きくならないので、そこが第一です。

2番目以降のところは追加的な要素なのですが、経営者が人を巻き込み、仲間が集められること。どんなに天才な方でも、一人ではできることは限られているので。

若目田:ありがとうございます。塚本さんはどうでしょうか?

塚本:ベンチャーは小さな組織なので、社長の器以上、社長の考えること以上にはなりません。ビジョンを持つのは簡単なので、経営者がパッションを持ち、本気で実現しようとしているか。そこへの道筋が見えていて、そのために何をやるべきかどうかを理解しているかが重要です。ただそれはわかりにくいので、結局は事業選定・プロダクトになるのかな。

あとは働いているメンバーが良い人であることが超重要です。プロダクト先行していると、どんどん採用して、結構腐ってしまって崩壊するというパターンがあります。自分の会社はそうじゃないと思っているし、そこを意識して人間性の優れている人を採用するようにしているので、そういった人が集まる組織は働きやすい良いベンチャーだと思います。

若目田:組織力があること、ですね。

塚本:そうですね。社員が100人、200人を超える組織になってくると、そこをしっかりしていないと難しいと思います。

若目田:では、丸岡さんはいかがですか?

丸岡:前提として、私の前職は新卒から3年勤めたリクルートで、スーツを着て営業していました。スタメンには5人目のジョインで、営業社員では一番で入りました。どういうことを考えて転職をしたのか。もちろん良いベンチャーだと思ったし、成長するベンチャーだと思い転職しました。成長の可能性を感じた部分は、市場選定とプロダクトです。

なぜ成長するベンチャーがいいのかと言うと、事業が拡大して人数が増え規模が大きくなれば、新しいポジションや新しい挑戦機会がどんどん生まれてくるからです。その中で自分がチャレンジして、アクションして、結果を出してというサイクルがしっかり循環できるのが良いベンチャーであり、そこが魅力ですね。でも最後は“人”かなと思っていて。まず経営メンバーが単純に尊敬できることも重要です。

東京と名古屋のベンチャーはどう違う?

若目田:東京と名古屋のベンチャーはどう違うのか教えていただきたいと思います。塚本さんからお願いします。

塚本:まず、東京の方がやりやすい。前提としてコミュニティがあるし 、いろんな情報が集まっているし、紹介もあります。

若目田:名古屋から東京に行って、何か変化はありましたか?

塚本:名古屋から東京にいってめちゃくちゃ加速したと思っていて。肌で摂取できるエネルギーの量が変わりました。

逆に、東京は偽物がめちゃめちゃ多くて。言ってるだけとかSNSだけとか実体がないこともあります。名古屋はそもそも母数が少ないから、嘘をつくまでもありません。接触する頻度が多いから、嘘をつくとわかるんですよ。いい意味で密なコミュニケーションができるので、数や情報量は少ないけれど、一つひとつの見方はいいのかなと思います。

若目田:スタメンさんは名古屋本社で、東京にも拠点がありますよね。

丸岡:そうですね。一つは、名古屋の人の方が覚悟が決まっている人が多いです。 名古屋は東京に比べてベンチャーの母数が少ないことが影響しているのかな、と思います。

もう一つは、これは私もびっくりしたのですが、名古屋の方が既婚者が圧倒的に多くて。スタメンの東京支社もそうなのですが、独身者ばかりなんですよ。名古屋だとほぼ既婚。別に年齢がそんなに離れているわけではないのですが、なぜか結婚していて、でもう覚悟決まったよ!みたいな感じがあります(笑)。

(会場笑い)

若目田:大人のベンチャーが多いということですね。高野さん、東京でキャリアコンサルタントをやっていて、東京から名古屋のベンチャーへの転職を考えている人はいますか?

高野:東京に来たいというパターンはあるけど、その逆はあまりないですね。個人のどこが強いか、力があるか、専門性の高い方については、今はもうオンラインで面談できるので。

若目田:名古屋から東京に行きたい場合は対応してもらえるのでしょうか?

高野:どこに住んでいても対応できます。今はインターネットのビジネスが多いので、東京に集まる理由はないと思っているのですが、集まっちゃってますよね。昔からそうなんですけど。でも、そろそろそういうのは変わってもいいのかなと思います。上場している会社さんが、名古屋でも増えてきているので。

どんな人がベンチャーで活躍できる?

若目田:ベンチャー企業は「チャレンジングでありつつ組織の仕組みや制度の課題も多そうです。そんな中で、ベンチャーで活躍できる人の特徴や、即戦力になるのはどんな人なのかを教えてください。高野さんからお願いします。

高野:そのままなのですが、結果にコミットする方ですね。結果が出るまでやり切っていただくというか。

あとちょっと勘違いが起こりやすいのが、ベンチャー企業だから何でも発言していいみたいな感覚ですね。それはもちろん良い側面もありますが、基本的には経営陣の決定に対してポジティブに従っていただく必要があると思います。批判的な人も入ってきてしまうのですが、それは何かを履き違えてといることが多いですね。

若目田:そういった期待値ギャップはどこで生まれるのでしょうか?

高野:組織が担保されていないので。結局社長から見たら一人ひとりの仕事の結果がは明確で、言い訳できない環境です。人間は自分を守りたいから、言い訳したいじゃないですか。そこで言われちゃいますよね。

若目田:そういったところに期待値ギャップが生まれると。塚本さんは組織のトップで採用活動をされていますし、経営目線から見て組織の仕組みや制度に課題は多かったりするのでしょうか?

塚本:まず私自身が、「ベンチャーだから、いろいろ課題があるしみんなに迷惑かけるよ」というのは免罪符じゃないし、やってはいけないと思っていて。みんなに迷惑かけないように制度と仕組み整えようという前提のもと、やはりどうしても追いつかない部分もあります。だからといっていい加減にしてはいけませんよね。

「教育制度とか仕組みとか追いつかないから」というのは、どこのベンチャーも言いそうなことです。他人の責任にするとか、できないことを組織や仕組みのせいにするという言い訳は、大手よりしやすいんですよね。突きどころはいっぱいあります。ストレスもかかりやすくて。

そんな中で、その人が本当にいい人間なら、組織や人のせいにしないし言い訳もしません。自分でそれをどう改善できるかを考えるから。心がきれいで、ストレス耐性があって、もっとよくしようとポジティブな方に考えられる人は活躍できるかなと思っています。

若目田:ポジティブで素直な人が活躍できると。制度を作っている側の丸岡さんは、どんな人が活躍できると思いますか?

丸岡:結果にちゃんと向き合える人かなと思っていて。その中でも、特に私は前職がリクルートで、多少はプライドみたいなものがあったりします。例えば営業だと、提案資料がもうすでにあって、そういうのを使ってリクルートから提案していたのが当たり前でした。

しかし、それこそスタメンのように5人目の社員で入ったら、当たり前だけど提案書は毎日変えて、とにかく小さく変えて。ちゃんと市場とお客さまに合っているものを、とにかく内省を重ねていき、最適なものを自分で編み出していく。ベンチャーには商品が整ってないとか、提案書や環境が整っていないというところがあるので、そこをうまく改善していきながら先走って行けるかが重要だと思います。

方向性にズレが生じたら?

若目田:会社の方向性と、一緒に働く人のビジョンの擦り合わせはどのように行っていますか?また、方向性がずれそうになったとき、どう対応しますか?丸岡さんからお願いします。

丸岡:会社の方向性やビジョン、カルチャーがわかるように、発信やブランディングをして、面接でもそれをお伝えしているという前提でお話します。

最近、スタメンでは「ワンデーエクスペリエンス」という新しい制度を作りました。内定を出したあとに、内定者とスタメンが合うかどうかを、1日就業していただき判断をしていただく場を設けています。それをもって入社し、そこでビジョンの共有などのすり合わせを行っています。

方向性がずれそうなときは、ミスコミュニケーションがある可能性もあると思います。そこは補正の努力もしつつ、でも個人のビジョンの方が強いことがどうしてもあります。そういった場合は、お互いに納得した上での卒業という形になるかなと思っています。

若目田:高野さん、実際にこういった相談もありますか?

高野:会社の社員数、会社のステージごとに応じて、活躍する方が変わってきます。変わってくると、最初は適当な感じで肩書き乱発みたいなベンチャーだったものが、肩書きが役割にそぐわなくなってきますよね。そうなると、フォーメーションを変えなければなりません。別に役割で仕事をしている訳ではなく、会社の目指してるものがあると思いますので、そこを認識していただいて。それが結果辞めていくことになっても、それは別にいいことだと思います。

自分の立場からすると、0〜1や1〜10にいる人が、スタートアップ・ベンチャーの中から、気持ちよくイグジットしていくような流れをむしろ作っていきたいと思っています。今だと、最後に会社ともめて辞めたりすることが結構ありますよね。もう少し、会社のステージごとに活躍の場があるということを、みんなに可視化していけたらいいのではないかと思います。

若目田:ありがとうございます。塚本さんはいかがでしょうか?

塚本:ビジョンがどうかというより…会社に入ったあとの、会社のものごとの認識のずれですよね。2次面接とかで、この人にお願いしたいなと思った瞬間から、面接と思ったことがなくて、会社のPRの場だと思っているので、自分はこういう人間で組織にはこういう人間がいて…と、私が思っている組織の姿を赤裸々に伝えます。「ここが合わない可能性もあるけれど、私のことを好きになってもらえるのならぜひお願いしたい」と誠意を持って伝えるんです。それでも、入って「違った、合わなかった」という人もいます。それぐらい正直にやらないと、みんな不幸になります。

方向性のずれや、思っていることの勘違いは絶対に出てくると思っていて。そのときも誠意を持って、「認識のずれが起きた理由はこうだと思うんだけど、どうかな?」と話してみる。私の立場で感じることと、相手の立場で感じることはポジションも役割も違うから違って当然なんですよ。例えば、こういうところがおかしいと文句を言われたとき、それを聞いた瞬間に「違うな」と思う瞬間もあって。でも自分がその立場なら同じことを言うなと思うこともあります。ずれを無理やりなおそうというより、理解して共感して寄り添った上で、私にはこういう思いがあるんだと伝えます。

編集部コメント

キャリアコンサルタント・採用側・プレーヤーそれぞれの立場で語られたベンチャーの“リアル”。ベンチャーへの転職を考えている方からは、「もっと成長しなければ」との声も上がり、このイベントが良い起爆剤となったようです。