免疫細胞の異常が皮膚老化を促進 ~ メナードと藤田医科大学が新メカニズム解明 ~

投稿者: | 2026-03-10

IL-17分泌性Tregによる老化細胞の蓄積メカニズム:プレリリースより引用


日本メナード化粧品株式会社(本社:名古屋市中区、代表取締役社長:野々川純一氏)は、藤田医科大学(愛知県豊明市)の応用細胞再生医学講座および皮膚科学講座との共同研究により、皮膚老化を促進する新たな免疫メカニズムを明らかにしました。研究では、免疫細胞の一種である制御性T細胞(Treg)が加齢に伴い異常化し、老化細胞の蓄積を引き起こす仕組みを解明しました。研究成果は国際学術誌「Experimental Dermatology」のオンライン版に掲載されています。

近年、加齢に伴い体内に老化細胞が蓄積することが明らかになっています。これらの老化細胞は炎症性物質(SASP因子)を分泌し、組織を慢性的な炎症状態に導くことで老化をさらに進行させると考えられています。そのため、老化細胞を適切に除去することが抗老化研究において重要なテーマとなっています。

本来、老化細胞は免疫細胞の一種であるマクロファージによって除去されます。また、過度な炎症を抑える役割を持つ制御性T細胞(Treg)が免疫バランスを調整し、慢性炎症の発生を防ぐ仕組みが体内には備わっています。

今回の研究では、皮膚の真皮における老化細胞の蓄積メカニズムを解析。その結果、老化細胞が分泌する炎症因子(SASP因子)の影響によりTregが異常化し、慢性炎症因子であるIL-17を分泌する細胞へ変化することが確認されました。さらに、このIL-17がマクロファージによる老化細胞の除去機能を抑制することで、皮膚に老化細胞が蓄積し慢性炎症が誘導されることが明らかになりました。

老化細胞除去機能の回復が抗老化研究の新たな鍵に

真皮における抗老化の仕組み:プレリリースより引用


今回の研究により、本来は炎症を抑制する役割を持つ制御性T細胞(Treg)が加齢によって性質を変化させ、老化細胞の蓄積を促進する可能性が示されました。異常化したTregから分泌されるIL-17を制御し、マクロファージによる老化細胞の除去機能を正常化できれば、慢性炎症の抑制と皮膚老化の予防につながることが期待されます。

制御性T細胞は免疫反応を調整する重要な細胞として知られており、その研究分野は自己免疫疾患やがん、慢性炎症など幅広い生命現象の理解に貢献しています。2025年には、Tregの発見と免疫寛容の仕組み解明に関する研究により、大阪大学の坂口志文特任教授らがノーベル生理学・医学賞を受賞しました。今回の研究成果は、免疫機構と皮膚老化の関係を解明する新たな知見として、今後の抗老化研究や化粧品・医療分野での応用が期待されます。

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