名大発ベンチャーQuastella、品質管理AIで細胞産業の課題に挑戦

投稿者: | 2025-07-15

プレリリースより引用


株式会社Quastella(本社:名古屋市西区、代表取締役CEO:竹本悠人氏)は、愛知キャピタル株式会社およびepiST Ventures株式会社を引受先とする第三者割当増資に加え、株式会社十六銀行からの融資を受け、総額1.1億円の資金調達を実施しました。同社は細胞製造の現場における品質管理AI「Cytometa(サイトメタ)」を展開しており、今回の資金調達により、事業のさらなる成長と海外展開を見据えた体制強化を進めていきます。

細胞製造の現場ではこれまで、技術者による目視確認や経験則に基づく判断、いわゆる「目利き」が主流でした。しかし、この手法は品質のばらつきや属人化、技術継承の難しさといった課題を抱えています。Quastellaは、こうした現場課題に対応するため、画像解析によって細胞の状態を定量的に可視化し、標準化された品質評価を可能にするAIシステム「Cytometa」を開発しました。

同社はさらに、顧客の製造環境に応じてAIを最適化・導入するPoC(概念実証)支援サービスも提供しています。撮影条件の設計から画像解析モデルの構築、評価フローの整備に至るまでを一貫して支援することで、AI導入に対する不安や負担の軽減を図っています。

すでにCytometaは再生医療関連企業や細胞培養加工施設(CPC)、CDMOなどに導入されており、今後はアジア市場への展開も視野に入れ、細胞産業における品質管理の効率化・標準化を推進していく方針です。

“次世代の目”を育てるAIに共感 地域金融とVCが成長支援

今回の資金調達には、愛知県を拠点とするスタートアップ支援ファンド「あいちスタートアップファンド」や、データサイエンス領域に特化したファンド「Data Driven Innovation」が参画しました。両ファンドの代表からは、Quastellaの技術が属人的な品質管理の課題解決に資するとともに、細胞産業全体の発展に貢献する可能性に大きな期待が寄せられています。

また、融資を担当した十六銀行も、愛知県信用保証協会の制度融資を活用し、地域金融機関としての立場からQuastellaの挑戦を後押ししています。

Quastellaは、「Make it Alive!(世界を生き生きさせよう)」をミッションに掲げる名古屋大学発のベンチャー企業です。データサイエンスとAI技術を活用し、細胞の活用がより身近になる未来の実現を目指しています。

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