食を通じて人と人を繋ぐ|「airKitchen」を提供するZAZA株式会社のCOO 村瀬氏にインタビュー

投稿者: | 2018-12-13

日本の家庭の食卓で交流したい訪日旅行客と、家庭料理を振る舞いたい日本人のホストをオンラインで結ぶマッチングプラットフォームサービス「airKitchen」。このサービスを利用することで、訪日旅行客は、ホストと一緒に日本の家庭料理を作れて、より身近に日本文化を体験できます。またホストは、日本にいながら国際交流を楽しめます。今回は、「airKitchen」について、運営会社であるZAZA株式会社の取締役(COO)の村瀬 裕太氏にお話を伺ってきました。

村瀬 裕太|プロフィール
愛知県高浜市出身。名古屋大学文学部日本史専攻卒業。大学三年次に米国University of Cincinnatiに留学。国際政治学、平和学を学ぶ。 Cincinnati World Affairs Council、Cincinnati Sister City Associationにてインターンシップを行う。帰国後、2017年7月にZAZA株式会社を代表取締役(CEO)の永津 豪と共同で設立。2018年4月に「airKitchen」を正式リリース。

学生時代の国際交流の経験から「airKitchen」を創業

水元:学生時代は国際交流活動に力をいれていらっしゃったそうですね。

村瀬:アメリカの大学に交換留学へ行きました。留学先でインターンもやっており、NPOで国際関係の団体の運営、管理をやっていました。

また、日本では名古屋大学の「留学のとびら」という留学支援団体に所属していました。多くの学生に留学に行ってもらうための活動や、留学をしたい学生のサポートなどを行っていました。

水元:国際交流の経験から「airKitchen」の着想を得て立ち上げたとのことですが、詳しく教えてください。

村瀬:イギリス留学から帰ってきた永津と話す中で、留学で印象に残ったのは“人”だったという共感があって。

旅行や観光も楽しかったのですが、それよりも、ルームメイトの実家でご飯をごちそうしてもらった経験に意義がありましたね。そんな中で、普段の旅行でも観光地を巡るだけでなく、現地の人と繋がることができればとの思いで「airKitchen」を始めました。

水元:アメリカでの留学で、印象深かった食べ物やエピソードはありますか?

村瀬:サンクスギビングという祭りでの食事がそうですね。ルームメイトの実家でアメリカの家庭料理を食べて、それが非常においしかったんです。「アメリカといえばピザ」というイメージがありますよね。けれど、普段彼らが食べているものは、旅行先で食べるものとは全く違うなと印象に残りました。

料理を通じて世界平和を目指す

水元:「airKitchen」の目指すところを教えてください。

村瀬:人と人が繋がることで、平和な世界を目指していきたいです。

学生時代、国際関係や歴史を勉強する中で、どうすれば国と国の争いが解決できるかを考えて、結局は人との繋がりが重要だなと思いました。例えば、ドイツに友達がいたら、そこと戦争しようとは思わないですよね。私だったらアメリカにたくさん友達がいるので、アメリカとは絶対に戦争したくないなと思っています。そんなことが世界中で起きたらなと思っていて。人と人がつながることによって、より平和な世界が作れると思い活動しています。

水元:実際に活動する中で、人との繋がりを実感したエピソードはありますか?

村瀬:サービスを始めた頃、香港から来たお客さんが、浅草でうどん作りを体験して。それが、日本に来た中で1番の思い出だと言っていたんです。その後、そのお客さんが、ホストを香港に招いて旅行したということがありました。

我々のサービスがなかったら繋がらないところで、人生をかけて続いていく繋がりができて。自分たちの目指す世界に、少しずつ近づいているなと思っています。

水元:一度きりで終わらないのがいいですよね。では、どのような人に利用してもらいたいですか?

村瀬:現地の人との交流を楽しみたい人、もう一歩深い文化を味わいたい人にぜひ使ってほしいですね。メジャーな観光地を巡るだけでは、見えてこない日本文化もあると思うんです。普通の日本家庭で、一緒に食卓を囲んで、よりリアルな日本を感じたい。そういった人に使ってもらいたいですね。

水元:ホストの方はいかがでしょうか。

村瀬:現状、お金と時間に余裕がある主婦の方が多いですね。さらに、海外経験があり、国際交流したい人が特に活動的です。

今後は、お子さんがいる家族に受け入れていただくと、小さい頃から海外の方と接する機会が増えるのでよいのではないかと。日本の外にも世界があるのを肌で感じられるのは、貴重な経験になるでしょう。

料理は共通の関心ごとで、交流に最適なツールです。食事は色が現れやすい文化で、そういった意味でもいいかなと思っています。ホームステイなどで一緒に話すだけでなく、料理のように、何か1つの目的を持って交流することで、距離が縮まりやすいですね。

誰でも平等に日本文化を楽しんでもらいたい

水元:「airKitchen」にかける思いをお教えください。

村瀬:多くの旅行者に使ってもらい、人との繋がりを通して、より日本の文化や日本食を楽しんでもらいたいです。

最近は、「airKitchen plus」という新たなサービスを始めました。日本には、ヴィーガンやベジタリアンに対応した飲食店が少ないんですよ。なので、ヴィーガンやベジタリアンの訪日旅行客は、食べられる場所がなくて非常に困っています。せっかく日本に来たのに、日本食が食べられなかったり、食事する場所がなくて苦労したりしていて。そのような方々に向けて、家庭で安心してヴィーガンやベジタリアンに対応した日本食を食べられるサービスを始めたんです。

せっかく日本に来たのに、日本の文化を楽しむことや、日本に来る機会が潰れてしまうのはもったいないと思うんです。誰でも平等に日本を楽しんでもらう。そういうところで力になれたらと思います。これは自分の信条でもありますね。

水元:熱い思いですね。では最後に、この記事を読んでいる方にメッセージお願いします。

村瀬:とりあえずやってみることは大事だなと思っていて。私自身、起業をするつもりは全然なかったんです。ただ、興味を持ったことに対しては、とりあずやってみることを心がけていいます。

そういった中で、サービスを通してさまざまな人に出会ったり、使ってもらったり、ワクワクする場面に出会えたりすると思っています。挑戦することはおもしろいなと思っていますね。

水元:ありがとうございました。

編集部あとがき

日本をより深く知りたい訪日観光客と、国際交流をしたい日本人を食で繋ぐ「airKitchen」。ヴィーガンやベジタリアンの訪日観光客のために、「airKitchen plus」という新たなサービスも展開しました。国際交流に興味のある方は、ぜひホスト登録を。

airKitchenの公式HPはこちらから