事業成長は土台から|アクセラレーションパートナーズ創業者インタビュー

投稿者: | 2022-04-07

東海地域でも、創業から数年でIPOやM&Aをおこなう企業が増えています。しかしながら、それらに欠かせない経営戦略・経営管理に関わる専門人材はまだまだ不足している現状があります。アクセラレーションパートナーズ(以下、ARPS)は、東海地域の企業に対して中長期的に・かつ持続可能性のある事業成長をサポートするプロフェッショナルファームです。今回編集部は、ARPS創業者の松下氏を取材。創業のきっかけやビジョンについてインタビューしました。

人物紹介

松下 弘司 氏

アクセラレーションパートナーズ株式会社
代表取締役CEO/経営戦略/マスターコンサルタント/ターンアラウンド・マネージャー/ブランド・マネージャー

戦略コンサルティングファームでプロジェクト・リーダーとして幅広い分野のプロジェクトを経験。同社では、経営戦略立案の他、業務改革や、事業再生、組織変革を主導する。また、ターンアラウンド(事業再生)においては、中長期的視野に立った大胆な収益改善施策を実施し数多くの実績を収める。その後、グローバルメーカー系列企業にジョインし、従業者の意識と行動をブランディングする、体系立てた独自のメソッドを完成させる。現在は、ブランディングを切り口に、クライアントの独自の戦略的なインサイトを生み出し、付加価値を提供するための革新的なアイデアを見出すという取り組みを、クライアントと二人三脚で行う。これまで手掛けたブランディングは130社を超える。

取材・撮影:若目田

点ではなく面での事業成長支援が重要

ARPSは、代表取締役CEOである松下氏が個人で経営コンサルティング事業をしていたときの課題をもとに、元役員2名と共に設立されました。前回のインタビューでは、ARPSが
①地元東海地域で事業成長を目指す中小企業を対象に
②「良き理解者であり伴走者でありたい」という理念をもとに
③持続可能性のある事業成長を点ではなく面で支援する会社
であることをお伝えしてきました。

【特集】経営者の良き理解者であり、伴走者でありたい。アクセラレーションパートナーズ株式会社|特別インタビュー

専門人材の流動性、温故知新の発想、そして経営者の意思決定力で、この地域の企業はまだまだ伸びる

経営戦略、事業戦略、新規事業戦略、営業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略、採用戦略、組織戦略と、事業成長には考えるべき戦略が多く存在します。事業成長を多面的な視点で視るARPSは、この地域の企業のポテンシャルや課題をどう捉えているのでしょうか。

松下:当たり前の話かもしれませんが、IPO、M&Aの経験ある人材の流動性がもっと増えれば、東海地域の企業の成功事例はもっともっと増えると感じています。自分もその一員になれたらと思い、名古屋に足繁く通っているんです。
東京から日帰りができて、地場の産業も確立されていて、なおかつ人口も多い。これだけのポテンシャルを秘めているエリアは他にはないと思いますね。

グローバルで勝てているものづくりの大手企業の本社が、東海地域に集中していること。これはすなわち、品質も利益も追求するための、ものすごい厳格なビジネスの仕組みがこの地域の産業に根付いているという解釈もできます。これから新しく会社をつくって、資金調達をするような企業は、いわゆるベンチャーの考え方に加え、地場のビジネスの仕組みの良いところを汲み取って企業経営することができると良いと考えます。

東海地域や中小企業に限らず、国内での企業経営は先行きの見通しが立てにくくなっています。昔よりも遥かにプロダクトライフサイクルは短くなり、経営難易度は上がっている…。そんな時代で大切になるのは、感覚経営ではなく、緻密な戦略と戦術に基づいた経営者の意思決定です。国内でも伸びている市場は多くありますし、海外まで目を向ければこれからでも伸ばせる事業はたくさんあります。経営者の意思決定力が高くなれば、東海地域から飛び抜ける会社も多くなるのではないでしょうか。

専門人材の流動性、温故知新の発想、そして経営者の意思決定力。どれも事業成長には欠かせない要因だと、ARPSは考えています。ミクロ・マクロの視点で市場環境を分析し、戦略と施策を考えながら事業成長を支援する。これがARPSの強みだと言えるでしょう。

事業成長の土台をつくる上で、ベンチャーこそ勝機がある

ARPSは、2020年10月設立と創業間もない中で、既にアサインしているプロジェクトが多くあります。それだけ、ARPSが経営戦略を考える上でのフレームワークが優れていると言えます。仕事を進める上でのビジョンについて、彼らはこう語っています。

経営戦略の進め方を語る松下氏

松下:通常、経営戦略を考えたあとの次の一手としてIPOやM&Aを考えると思います。ARPSの手法としては、まず経営戦略を考え、その次に採用戦略、ブランド戦略…と、現場にも戦略の落とし込みを進めます。時間をかけて検討した結果、IPOやM&Aの選択肢にたどり着くことが多いです。

例えばM&Aであれば、今は買い手が10人いて売り手が1人しかいないような市場環境なんですよね。経営戦略を考えた後、すぐに会社を買収したいと思っても、国内ではすぐにマッチングは成立しません。だからこそ、まずは事業成長の土台となる戦略・戦術を、経営面だけではなく多面的に考える必要があります。

逆に考えると、売り手有利で資金も集まりやすいベンチャー企業は、中小企業の中でもチャンスがあると言えます。中堅や大手の企業より、リソースは足りないかもしれませんが、意思決定のスピード感は出せます。東海地域のベンチャー企業には、ARPSを存分に利用してもらいたいなと考えています。

編集部まとめ

コロナ禍で変動性がますます激しくなる市場環境で、地域の中小企業にとって戦略・戦術の重要性は高くなっています。それは、ベンチャー企業も例外ではありません。ARPSは、経営戦略の専門人材が不足する中小企業にとって必要不可欠なプロフェッショナルファームと言えるでしょう。Nagoya Startup News編集部では、引き続きARPSの動向を追っていきます。