フレンドマイクローブ、NEDO「GX事業」に唯一採択 油性排水処理でCO₂削減を実現へ

投稿者: | 2025-05-14

プレリリースより引用


株式会社フレンドマイクローブ(本社:名古屋市千種区、代表取締役社長:蟹江純一氏)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX事業)」の第3回公募において、今回の公募で唯一の採択企業としてSTSフェーズ(実用化研究開発・前期)に選定されました。食品工場等で発生する油性排水を微生物で処理する独自技術により、環境負荷の大幅削減を目指します。


フレンドマイクローブは、「微生物の力で持続可能な循環型社会の実現」を掲げ、名古屋大学と共同開発した特許技術をベースに、油性排水の処理を革新する微生物技術を開発してきました。従来の方法では、食品工場などで発生する油分をスカムとして焼却処理する必要があり、CO₂排出量や処理コストが大きな課題となっていました。

同社の微生物は高濃度油やトランス脂肪酸を含む排水にも対応可能で、24時間以内に90%以上の分解性能を実現します。すでに東証プライム上場の食品メーカーの現場でも導入実績があり、油脂分解による排水処理の省力化と環境負荷軽減に貢献しています。

今回のGX事業では、この微生物処理技術をより大規模かつ連続的に運用できる排水処理システムとして発展させ、CO₂排出削減、省力化、衛生改善を同時に実現することを目指します。さらに、装置販売と微生物製剤の継続提供を組み合わせたリカーリング型のビジネスモデルで、国内外の工場への導入拡大を図ります。

環境技術の社会実装を加速 国内外の製造現場で導入拡大へ

NEDOのGX事業は、革新的技術を有するディープテック・スタートアップを対象に、技術の確立から社会実装・量産化までのプロセスを段階的に支援するもので、今回は第3回目の公募となります。フレンドマイクローブはSTSフェーズへの採択を受け、今後さらにスケールアップ設計や規制対応を進め、実用化と量産化に向けた基盤づくりを加速させる方針です。

同社では、「微生物によるクリーンバイオテクノロジー」のフロンティアとして、油性排水のみならず、温室効果ガス削減や生物資源の保全など幅広い分野での応用を目指しています。今回の採択を機に、より多くの製造現場での社会実装を推進し、環境課題の解決と産業の持続可能性向上に寄与する技術として注目を集めています。

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