JAXAベンチャー天地人、豊田市との実証実験結果報告と覚書締結

投稿者: | 2023-05-03

プレリリースより引用


宇宙開発ベンチャーの株式会社天地人(所在地:東京都港区、以下天地人)が、豊田市と協力して行った実証実験の結果報告を行い、覚書締結を発表しました。この実験では、AIを用いた高精度な解析を行い、漏水可能性区域を判定し、調査効率の向上が確認されました。今後は漏水リスク評価の結果を検証し、更なる判定精度の向上を目指していくとのことです。

天地人はJAXA職員と農業IoT分野に知見のある開発者が設立したスタートアップ企業です。JAXAの知的財産や知見を利用して事業を行うJAXA STARTUPとして認定されており、高精度・高分解能な地球観測衛星データと独自開発の土地評価エンジンでビジネスソリューション開発を行っています。

これまでの事例として、ゼスプリフレッシュプロデュースジャパン株式会社とゼスプリブランドのキウイフルーツ栽培拠点を日本で探す「キウイフルーツポテンシャル名産地発掘プロジェクト」や、株式会社神明ホールディングスとの宇宙ビッグデータを使った米生産増・ブランディングに向けた取り組みなどを進めてきました。

AI解析で漏水可能性区域判定、調査効率向上を実証

証実験では、豊田市全域を対象に衛星画像をAIで解析し、漏水可能性区域を判定しました。その後、路面音聴調査で漏水箇所を検証し、解析の精度向上が図られました。結果として、249の漏水可能性区域が判定され、65区域77か所で漏水が確認されました。過去の実証実験と比較し、1区域あたりの判定可能範囲が縮小され、調査効率が向上したとのことです。

また、天地人と豊田市は、緊急時に水道管の漏水調査を迅速に行うために、「緊急時における漏水リスク評価に関する覚書」を令和5年4月に締結しました。本協定に基づき、豊田市は緊急時に漏水リスク評価の判定に必要なデータを提供し、天地人は衛星データの取得と漏水リスク評価を行います。これにより、緊急時における迅速かつ正確な漏水リスク評価が可能となり、市民の安全・安心につながることが期待されます。

今後は、漏水リスク評価の結果を検証し、判定精度の向上を目指していく予定です。天地人は、豊田市上下水道局の実証事例を無料オンラインセミナーにて紹介します。2023年4月18日(火)、4月25日(火)、5月10日(水)の三日間で開催されます。このような取り組みを通じて、豊田市上下水道局による漏水調査の業務効率化や、安全・安心な環境づくりに貢献していくとのことです。

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