宇宙農業の実現を目指す名大発ベンチャーTOWING、月の模擬砂を用いた実証実験に成功

投稿者: | 2022-02-09
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プレスリリースより引用

名古屋大学発ベンチャー企業の株式会社TOWING(本社:名古屋市南区、読み:トーイング)は2022年2月7日、株式会社大林組(本社:東京都港区)と共同で、月の模擬砂を用いた実証実験を成功させたと発表しました。二社はこれまで、月の砂を植物栽培が可能な土壌とするための技術開発を進めていました。

株式会社TOWING

株式会社TOWING公式HPのスクリーンショットより引用


株式会社TOWINGは環境に配慮した人工土壌「高機能ソイル」を活用した次世代の作物栽培システム「宙農(そらのう)」の開発・販売を手掛ける、2020年2月創業の名古屋大学発スタートアップ企業です。

同社が栽培システムとして実用化させた「高機能ソイル」は、有機肥料を効率的に無機養分へと変換し、作物を育てる上で良質な土壌となるまで通常3年〜5年要するところを約1ヶ月にまで短縮させることが可能です。また、本来は廃棄・焼却など、処分される植物残渣(しょくぶつざんさ)を材料としているために、炭素の固定・吸収も期待されます。

月の模擬砂を用いた実証実験の概要

プレスリリースより引用


TOWINGは国立開発研究法人 農業・食品産業技術総合研究機構が開発した「人工的に土壌化を行う技術」を活用し、有機質肥料を用いた人工土壌栽培を可能にするノウハウを持っています。加えて同社は、無機の多孔体(内部に微細な空洞を有した材料)を設計する技術を保有していました。一方で大林組は月の砂をマイクロ波やレーザーを用いて建材化する技術開発をJAXAなどと実施している背景があり、今回の植物栽培実験では、それら二社の知見を組み合わせて多孔体を設計・製造。それを土壌化して行ったコマツナの栽培に成功しました。

本技術には、将来の長期的な宇宙活動における食糧の運搬コスト削減へ向けた期待がかかります。今後もTOWINGと大林組の2社は、月面における植物栽培の技術を発展させ、宇宙活動のQOL向上を実現することで未来の持続可能な宇宙開発に貢献していくとのことです。

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