世界で広がる脱炭素への取り組み
2015年のパリ協定の採択を受け、世界的に脱炭素の動きが活発になっています。協定内で定められたのは、産業革命前と比較した時の気温上昇を2度とする長期目標、そして1.5度以内を追求する努力目標の二つです。
前者を達成するためには2075年、後者の努力目標達成には2050年までに脱炭素社会を実現する必要があると言われています。そのような世界的な動きと同じくして、日本政府も令和元年6月に「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を閣議決定。環境省を中心に、ビジネス主導の非連続的なイノベーションを通じた「環境と成長の好循環」を目指しています。
株式会社ウェイストボックス
ウェイストボックスは2006年に発足した、CO2排出量の見える化に特化した環境ソリューションプロバイダー。地球環境問題の解決には、環境に配慮した消費や金融が当たり前のように行われる「環境と経済の両立」が必須と考え、環境負荷やCO2排出量を把握するノウハウを中心に以下6つの事業領域を展開しています。
- サプライチェーン排出量算定
- 製品サービスでの排出量算定
- カーボン・オフセット
- 官公庁環境関連受託業務
- 排出権の権利化支援
- SCOPE1,2,3算定システムの開発
同社はJ-クレジット制度に基づき認証される温室効果ガス排出削減・吸収量の創出や活用の促進を目的として、クレジットの創出及び活用を支援できる事業者「J-クレジット・プロバイダー」です。また、全体として3割を占める官公庁の案件以外にも、行政や業界を代表する企業との取引などの実績が豊富です。
カーボンマネジメント事業の共創
今回十六銀行が新たに、温室効果ガス排出量の可視化や、削減目標の設定に対してコンサルティングをおこない、顧客企業の脱炭素経営のためにカーボンマネジメントを支援する事業を開始します。それに伴い、同行が専門的な知見を基にした一気通貫の伴走支援を実施する体制作りのため、そのアドバイザーとしてウェイトボックスとの業務提携締結に至っています。
この度十六銀行がおこなう取り組みは、国内地域金融機関としては初めてとなります。しかし今後は、実質的な環境配慮だけでなく、企業のCSR活動やESG投資などを通じた企業戦略も相まって、脱炭素を取り入れた企業経営の動きが活発化していくことは十分考えられるでしょう。今回の事業共創が、脱炭素化社会の形成を後押しするだけでなく、社会の環境意識を一層引き上げる良い契機となることが期待されます。
十六銀行は今回の取り組みの他にも新規事業創出など、地域企業との連携を通じて東海地域の活性化に大きく寄与しています。詳しくは、下記の記事も併せてご覧ください。
十六銀行とCrewwが協働事業展開で、次なるイノベーション革命へ向け始動
株式会社十六銀行が、投資専門子会社としてNOBUNAGAキャピタルビレッジ株式会社の営業を開始。