
シュミレーション画像:プレリリースより引用
株式会社東海エンジニアリングサービス(本社:名古屋市北区、以下:TES)は、高精度光学機器に使用される自由曲面ガラスミラーの量産化技術を独自のプレス成形技術を用いて確立しました。本技術により、従来の機械加工に比べて製造コストを削減しながら、高い精度を維持した光学部品の量産が可能となります。
自由曲面ガラスミラーは、分光光度計や宇宙望遠鏡などの高精度な光学機器に欠かせない部品です。特に放物面や楕円面の一部を使用する「軸外しミラー」は、光学系の性能を左右する重要な要素であり、その製造には極めて高い精度が求められます。
従来の製造方法では、超精密加工装置による機械加工が一般的でしたが、これには長時間の加工と高コストが伴うという課題がありました。TESは、独自開発した金型技術を活用したプレス成形法により、これらの課題を解決。従来の機械加工と同等以上の精度を実現しながら、量産性の向上とコスト削減を両立することに成功しました。

自由曲面ガラスミラー:プレリリースより引用
4軸同期加工×精密成形、TESが生み出す次世代光学部品
本技術の確立には、TESが長年培ってきた高度な加工技術と成形技術の融合が不可欠でした。自由曲面をナノメートル精度で加工・計測するため、4軸同期による高精度な加工技術を導入。さらに、独自のC言語ベースの評価プログラムを開発し、ミラー全体の品質評価を高精度に行えるシステムを構築しました。
また、成形技術においては、ガラス材料の熱膨張係数やクリアランスを精密に考慮した金型設計を採用。シミュレーションに基づく最適な成形条件を確立することで、直径1mmの微小レンズから直径100mm近い大型光学部品まで、多様なサイズに対応可能となりました。さらに、円形形状だけでなく、矩形や位置決め用の複雑形状を高精度に成形できる技術も確立しています。
TESは、「加工技術と成形技術の融合で、光学の世界を変える」をビジョンに掲げ、自由曲面ガラスミラーの技術革新を推進しています。今後も、光学分野における新たな可能性を切り拓く技術開発に取り組んでいくとのことです。
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