中部国際空港での自動運転清掃車、実証実験スタート

投稿者: | 2023-05-15

プレリリースより引用


株式会社加藤製作所、新明工業株式会社、中部国際空港株式会社、日野自動車株式会社の4社は5月10日、空港制限区域内における現場作業の安全性確保や生産性向上、労働力不足などの課題解決に向け、自動運転(レベル2相当)※1に対応した路面清掃車の実証実験を開始しました。愛知県常滑市に位置する中部国際空港で行われる本実証実験は、滑走路や誘導路を含む空港制限区域における路面清掃車として日本で初の試みとなります。

この実証実験では、小型トラック「日野デュトロ」をベースに、加藤製作所が「真空吸込式路面清掃車」を製作し、新明工業で自動運転に必要な改造が行われました。実験期間は2023年5月10日から約3週間、実施場所は中部国際空港制限区域内(滑走路、誘導路、その他)となっており、1台の車両で行われます。主な目的は、夜間や単調作業下での安全運行、重複清掃や清掃漏れの削減による清掃品質や効率の向上、及び準中型免許で運転可能な小型トラックをベースとした路面清掃車の有用性についてデータを取得することです。

実証実験の具体的な内容と目指す成果

実証で使用する車両は、小型トラックに自動運転技術を搭載し、時速20km以下で走行します。車両の走行位置や経路は、GNSSデータ※2、LiDAR※3、赤外線カメラで把握し、障害物を検知すると自動で停止します。清掃区間までドライバーが運転し、区間内は自動運転に切り替えて路面を清掃します。架装部分の清掃装置はタブレット操作により自動運転と連動して自動で清掃作業を行います。

実証実験により、空港制限区域内での高機能化された路面清掃車の実用化に向けた検討が進められるとともに、安全性と効率性の向上、労働力不足の解消などが期待されています。実証実験の結果を踏まえ、4社は今後、自動運転路面清掃車の導入を更に推進し、その活用範囲を広げる計画となっています。

自動運転技術の進化とともに、これらの実証実験は、空港業界だけでなく、他の産業分野における自動運転の適用範囲拡大にも貢献することが期待されています。これにより、より効率的で、安全な社会への一歩を踏み出すことが期待されます。

※1 自動運転(レベル2相当):ドライバーが周辺監視を行い、特定条件下での自動運転機能(高機能化)
※2 GNSS:Global Navigation Satellite System、GPSなどの全地球衛星測位システム
※3 LiDAR(ライダー): Light Detection And Ranging、周辺環境の立体的な様子を捉える技術や機器

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