愛知県の三社、養鶏業を展開するアイナン産業(本社:知多郡、代表取締役:齋藤大士)、障害者支援を行う有限会社cheer(本社:名古屋市守山区、代表:恩田 泰寛)、ITを活用して課題を解決する仕組みをデザインする株式会社HALO(本社:名古屋市、代表取締役:鵜飼幸子)が共同で、AI技術を活用した「コロンブスのたまご」を開発し、2023年11月に実証実験を行いました。このソリューションは養鶏業の作業効率化と障害者雇用の促進を目指し、ITを通じて両業界の課題を解決することを目標としています。
「コロンブスのたまご」はコンベア上で流れる卵の汚れや割れをAI技術によって判別し、プロジェクションマッピングで取り除くべき卵を指示するシステムです。従来、養鶏場では卵の選別を人の目で行っていましたが、この作業には熟練が必要で、判別の基準にばらつきがあり、見落としが発生することもありました。さらに、作業者の高齢化と人手不足が深刻な問題となっている中、このシステムの導入により、作業の効率化と判別精度の向上が期待されています。
AIの力で広がる障害者の働く場:「コロンブスのたまご」の可能性
「コロンブスのたまご」の利用により、熟練者でなくても卵の選別作業が可能になるため、障害者雇用の促進が期待されています。民間企業における障害者雇用数は増加しているものの、法定雇用率を満たしている企業は約半数に留まっています。障害者の働き口が限られがちな中で、このシステムは障害の有無に関わらず誰でも卵の選別作業を行うことを可能にし、離職率の高さという障害者雇用の問題点も解決する一助となることが期待されます。
実証実験に参加した障害者からは、仕事に対するやりがいや楽しさを感じている声も多く聞かれます。これにより、農業と福祉の分野が連携し、共生社会の実現に向けた一歩を踏み出しています。
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