愛知県豊橋市が推進する「Urban Innovation TOYOHASHI」において、市の行政課題の解決を目指すスタートアップ企業が今年度、選定されました。特に、学校体育施設の予約手続きの簡素化と、福祉サービスの制度案内をデジタル技術を駆使して効率化する取り組みが注目されています。
「Urban Innovation TOYOHASHI」は、豊橋市の地域課題をスタートアップと連携し解決するための取り組みであり、今年で4年目を迎えます。今年度は過去最多となる43社からの応募があり、その中から特に注目の2つの課題を解決するための2社が選ばれました。
スタートアップ2社の挑戦:学校施設予約と福祉サービス、新たな方向へ
1つ目の課題、学校体育施設の予約のデジタル化に取り組む「株式会社構造計画研究所」は、現行の予約システムの煩雑さを解消する目的で選ばれました。現状、教員が電話や対面で予約を受け付け、鍵の管理も地域の市民館で行っているため、市民、教員、地域ともに大きな負担となっています。同社が提案するシステムでは、学校体育施設の異なる扉や鍵の形態にも対応する柔軟性を持つスマートロックの導入と、デジタル予約システムを組み合わせることで、利用者の利便性を向上させるとともに、教員の業務負担も大きく軽減されることが期待されています。
2つ目の課題に取り組む「株式会社トゥモロー・ネット」は、福祉サービスの制度案内を24時間対応のAIツールで行うことを目的としています。現在、市民が自力で調べるのは難しく、また問い合わせの電話が増加している福祉サービスの案内を、ボイスボット(聴覚)とチャットボット(視覚)の両方を活用して、よりアクセスしやすい形で提供することが計画されています。特に、複雑な福祉サービスを同時に使って案内する独自性や、先進的な技術力が選定の決め手となったと言われています。
これら2つのスタートアップ企業は、豊橋市職員との協力のもと、8・9月から12月末までの約4ヶ月間、実証実験を進めます。そして、来年2月にその成果を報告する会が予定されています。
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